ようす さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
まだ会ったことのない君を、探している――。
新海監督のこれまでの作品はすべて視聴済み。
特別好きというわけではないし、
むしろ理解できないことが多い(笑)
新海監督の作品は、男性的な心理描写が多く、
女性向けではないと思っています。
それでも作画の美しさと音楽がもたらす極上の演出が大好きなので、
今回もストーリーよりそちらを楽しみにしていました。
前作「言の葉の庭」は近所の小さな映画館で観客3人で観たのに、
今回は大きな映画館で公開され、大きな話題になっているし、
知り合いの小学生女子までもが公開前から
「『君の名は。』面白そうだよね。」なんて会話しているもんだから、
「まさか小学生から新海監督の作品の名前を聞く日が来るとは…。
今回の作品はただごとではないぞ。」と予感していました。
映画館の良い座席を取るのに苦戦し、
ようやく見ることができました。
2時間ほどの作品です。
● ストーリー
宮水三葉(みやみず みつは)は山深い田舎町に暮らす女子高生。
彼女は時々不思議な夢を見る。
知らない男の子の体になって、東京で暮らしている夢…。
立花瀧(たちばな たき)は東京で暮らす男子高校生。
彼も不思議な夢を見る。
知らない女の子の体になって、自然あふれる土地で生活している夢…。
周りから「昨日はおかしかったよ。」と言われ、
それが夢ではなく本当に体が入れ変わって起きている出来事だと気付く。
互いの生活が困らないようにルールを決めたりし、
なんとなくこの生活に慣れてきたある日、
ぱったりと入れ替わりが起こらなくなる。
そして三葉に起こった出来事を、瀧は知る。
序盤から三葉と瀧が入れかわる面白い展開。
男の子が女の子の体になったらまずは…
やっぱりやってしまうんですね。
いやでも瀧くん、毎回揉みすぎ!笑
女の子が男の子の体になったら…
慣れるほか、どうしようもないですね。笑
いやでもイケメン男子高校生の体を手に入れるとか、
三葉め、羨ましいぞ!(*´Д`)瀧くん好み
お互いの環境を良くも悪くも変えていく二人。
そんな二人が面白くて、ただただ楽しめました。
しかし、それだけで終わらないのが新海監督ですね。
中盤、三葉に訪れた運命。
徐々に明らかになる二人の結び。
自分の気持ちに気づいていく二人。
ここから徐々に新海色が溢れ出てきます。
≪ 親しみやすい新海映画 ≫
監督の色が前面に押し出されてきたこれまでの新海作品。
模索と変化を繰り返した到達点が、今回の作品。
大衆受けする設定、
『ボーイ・ミーツ・ガール』。
これは多くの人の大好物ですね。
そこに新海色を混ぜ込んで、
新たな客層を取り入れることに成功したのではないでしょうか。
これで興味を持った人が新海監督の過去作品を観て
どう感じるのかも気になるところですが、それはまた別の話。
何はともあれ、設定が面白い。
そして新海色が浮いているわけでもない。
両者が混ざり合った結果、
新しい層にもこれまでの層にも満足できる作品となったのだと思いました。
これまでは「さーて、あと何周すれば監督の伝えたいことがわかるかな。」
と観終わるたびに思っていた新海作品ですが、
今回は1回見れば十分。
三葉の心理描写も多いからかな。
これまでと比べると「わかりやすい」作品でした。
(内容が薄っぺらい、という意味ではもちろんありません。)
ジブリで例えるなら、
『耳をすませば』と雰囲気は近いかも。
● 音楽
作画は言わずもがな、
そして音楽もまたずば抜けているのが、
新海作品の見どころ。
音楽を使った演出は、さすがです。
今回は曲単体で印象に残るものは少なかったですが、
映像と音楽が合わさるとなんでこうも惹きつけられるかなー!
新海マジック、恐るべし。
予告PVを見直していると、
もう1回観たくなりました(笑)
そして近いうちにRADWIMPSを
聴きまくることになりそうです(笑)
● まとめ
観ているときに「これはすごい!」と強く思ったわけではないのですが、
(鳥肌は何度か立ちましたけど)
レビューを書きながら余韻に浸ったからか、
どんどん☆の点数上がっちゃいましたw
普段から新海監督の作品に触れている人と、
初めて触れる人とでは評価や感じ方は違いそうですが、
今後も監督には監督らしい作品を作ってほしいです。
次回作うんぬんより、
しばらくは「君の名は。」に浸りたい気分だな(*´ω`)