Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「その目、だれの目?」
この作品の原作ゲームは未プレイです。2017年1月からこの作品と世界観を同じくした「CHAOS;CHILD」が放送される事を知り、今回の視聴に至りました。
物語の舞台は東京渋谷…ここでは「ニュージェネレーションの狂気」と呼ばれる連続猟奇殺人事件が世間を賑わせていました。
そんな中、主人公である西條拓巳は高校を卒業できる最低限の単位のみ取得するために断続的に学校に通っている準ひきこもりのオタク少年は、被害妄想の強さから俗世間との関わりを自ら絶ってしまう…そんな可哀想な性格の持ち主でした。
彼はどうして周りをそこまで警戒するんだろう…
どうして人を敵味方でしか区別しないんだろう…
どうしてそこまでヘタレなんだろう…
物語の序盤…主人公の西條拓巳の言動には正直理解できない事ばかり…
突然クラスメイトを怖がったり…実の妹を邪険にしたり…
確かに時には妹と距離を置きたい…という事もあるかもしれません。
でもそれは四六時中一緒に居て初めて芽生えるような感情であり、自分の生存を確認しにきてくれた妹に対して取るべき言動ではありません。
それでも主人公の周りには回を追うごとに女の子の数が着実に増えていきます。
いくら低く見積もっても彼女たちの琴線に触る出来事があったとは思えないのに…です。
しかも…まぁお約束ですが主人公に集まるヒロイン達ってみんな可愛いんですよね。
そんなヒロイン達が時には背中をそっと押してくれたり…主人公を背中に匿ったり…
それでもグズグズしている主人公にイラっとしたのは、きっと私だけじゃ無いはずです。
そしてチャットで将軍と名乗る人から「とあるファイル」を受け取る事で物語が大きく動いていきます。
中盤までの主人公はダメダメでしたが、その分ヒロイン達は輝いていたと思います。
咲畑 梨深(CV:喜多村英梨さん)拓巳のクラスメイトであり、常に明るく人の温もりを彼に教えてくれました。
蒼井 セナ(CV:生天目仁美さん)拓巳の1年先輩の彼女は黒髪ロングと凛々しさが似合う女の子です。
楠 優愛(CV:たかはし智秋さん)3年生の彼女はヤンデレ眼鏡っ娘という表現がピッタリです。
折原 梢(CV:辻あゆみさん)過去のトラウマで口の聞けなかった彼女はドジっ娘で泣き虫な女の子でした。
岸本 あやせ(CV:榊原ゆいさん)難しい言い回しが多いですが、大事な場面で登場するキーマンでした。
西條 七海(CV:宮崎羽衣さん)拓巳の実妹で「おにぃ」の呼び方が…実に良かった^^;
主人公と6人のヒロイン…あやせ曰く「邪神グラジオールを倒す黒騎士」らしいのですが、この黒騎士になるには「覚醒」する事が必要でした。
「覚醒」の条件は個々人によってバラバラ…
「それじゃ、みなさん各々の覚醒方法を見つけられるよう頑張って…」
などと軽いノリでできるモノではありませんでした。
それに覚醒がもたらすモノは幸せだけじゃないんです。
中には覚醒を受け入れる事が自分の身を引き裂かれるより辛い決断になる場合もあるんです。
…だから簡単に選択なんかできません。
いつもと変わらない笑顔の裏側に潜む深い苦悩…
でも一緒に紡いだ時間は人が正直になるキッカケとしては十分…
覚醒を巡る主人公とヒロイン達の物語…気になる方は是非本編でご確認下さい。
オープニングテーマは、いとうかなこさんの「F.D.D.」
エンディングテーマは、加賀美セイラさんの「Super Special」
1話で最初にオープニングを聴いた瞬間に歌い手はいとうさんだと直ぐに分かりました。
そして次から次へと奏でられる旋律に思わず鳥肌が…
何って恰好良い歌なんだろう…遅ればせながら今から覚えたいと思います。
物語の終盤…これまでとの格差が大きかったせいもあるでしょう…
主人公がとても恰好良く見えて、ヒロインはやっぱり可愛らしくて…
リアルブート、思考盗撮や妄想シンクロなど難しい単語も幾つか出てきましたが、それらをひっくるめて楽しんで視聴できた作品だと思います。