鸐 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
面白くはないが印象に強く残る【酷評】
このような問いかける作品が漫画・映画で評価されるのは良いことだと思う。
物語
面白かったか?
そう問われると面白くはないと私は思う。
何故面白く無かったか、物語を完結させる為にだと思われるがシーンの切り替わりが上手くなく、ブツ切りのストーリーが繋がったようだったからだ。
感動したか?
私はこの作品を紹介するうえで、この言葉を使うことに疑問を持っている。
物語半ばのキャラクターたちの心情には非常に共感できるものがあったし、自然と涙が出てしまう部分もあったが、興奮したこと、面白かったこと、なんにでも使える言葉を使うには、あまりにもテーマが深すぎた。
この作品は一人のろう者とクラスに馴染めない一人の生徒と周囲の人々のろう者や生徒に対する感情・行動がリアルで、視聴者自身にあなたならどう行動するか?という道徳的な内容になっている。
観終えた後、非常に多くのことを考えさせられた。
ろう者の立場だったら、いじめる側の立場だったら、お母さんの立場だったら、どう思い行動するだろうか。一定の理解をし友情を築くことの難しさとか、沢山。
そういう意味で深く感銘を受けたし、観る機会があって良かったなと思った。
しかしながら、{netabare}最後だけは納得がいかない。なんで数か月で外傷が殆ど治癒してるんだ。事故直後のいかにも重篤な演出は何だったんだ。{/netabare}
あと、{netabare}途中から西宮の補聴器が片耳だけになったのはなんで?
医者とお話してショックを受けていたシーンがあったけれど、先天性の人が後天的にさらに悪くなることもありえるのかな?
描いてほしかった。{/netabare}
声優
声のイメージは、小学生時代の石田将也の声が違和感あったので低め。
西宮硝子の独特な声の演技をやっていた早見沙織さんはすごいなと思った。
キャラ
基本的にみんな無責任だし、自分のことしか考えてない、仲良くしていても完全に信用しきっている訳ではないところがリアルだと思う。
凄いなと思うのは、{netabare}パクられた自転車を探しに行った永束くんと、ダイレクトに西宮さんを非難した植野さん。行動力が凄いなと思った。
一番ゲスいなと思ったのは、西宮母でも眼鏡委員長でもなく真柴くん。表情を変えず正論をふりかざって相手を殺していく鬼。
映画では描かれていなかったが、Wikipediaをみたら想像以上にねちっこいことがかかれており旋律した。一番教師にしちゃいけないタイプだと思う。
教師と言えば、小学校の担任の教師もひどいと思ったな。
小学校であれだけやられてれば2か月といわず気づくよね、将也のつるし上げ方もやりすぎだと思うし、その後のフォローも全然行われていない。
この作品最大の戦犯だと思う。{/netabare}
作画
キャラクターの芝居が細かい。実写的だった。
音楽
主題歌に違和感あり。
なんでaiko?洋楽ロック?
劇中歌はとても良かった。
納得がいかないところも多いし、楽しい映画ではないので、人にお勧めするものじゃないと思うけれど、観た人の心の中には強く残る映画である。
また何年か立った時に観たいなと思った。