glashutte さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
原作を接しやすくした映画版
原作を読んだ上で映画を見ました。
原作と比べ、いじめをしていた石田がいじめを始める件が、西宮のクラスでのポジションを確認した上での行動になっていて、刺激を求めていたとはいえ、いじめに入る動機が視聴者にも理解できる作りになっていました。この作りによって、石田を理解できない対象ではなく、理解できる対象にしていたのは、映画を見る人にとって優しい改変だったと思います。
全体的には、ところどころ改変はしているけど、基本的には原作通りのストーリーです。原作にあって、映画にない話としては、文化祭の自主制作映画の件と、西宮が理容師になりたいという件、最後に同窓会に石田と西宮がいく件などが抜けていて、時間の関係でしょうがないとは思います。
映画の最後のまとめは、起承転結で言うところの転で終わってしまっています。これは、あとは視聴者のご想像にお任せしますというところでしょうか。全体的に原作よりも接しやすく作っていたと思いますが、マイルドにしたために、しり切れとんぼになった感も否めません。
同時期に上映したいる「君の名は。」と比べると、すっきり感は少なく、シンプルではありませんが、シンプルなものとは対極にある人間の複雑性を垣間見れる作品ではあると思います。このお話に興味を持った方は映画版と少しずつ違うので、原作も見て欲しいと思っています。
最後に、西宮役の早見沙織さんは、ほとんどはやみんっぽくなかったけど、耳が聞こえない人なりの話し方のモデルがいて、その人の話し方を参考にしていたようですえ。映画のエンドロールでクレジットされていました。