かつ→→→ さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
"君に生きるのを手伝ってほしい"
▽物語
“退屈すること”を何よりも嫌う少年、石田将也。
ガキ大将だった小学生の彼は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。
彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。
しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。
やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。
“ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。
これはひとりの少年が、少女を、周りの人たちを、そして自分を受け入れようとする物語――。
公式サイト参照
▽作画
京アニの劇場版ですよ。
良いに決まってるじゃないですか。
水の質感
花火の散り方
苛めを実行している時の周りにいる生徒たちの表情...etc
あと西宮さんが表情で語りかけてくるシーンがところどころあるんだけど、
特に "変な顔" してる時と
{netabare}花火大会の去り際、"自殺を決心した顔"{/netabare}
この2つのシーンの表情は注目。こんな細かい顔の演技(作画)は演出含め、京アニにしか出来ないこと。
▽声優
はやみんがひたすら凄かった。
原作だとどんな感じなんだろーと想像していた硝子のぎこちない声。これを斜め上いく演技をしてくれて脱帽。
石田の高校生バージョンは苛めの影響か、スンッと自信のない声を難なくこなしていた入野さんの凄さに驚く。
ゆずるに関しては流石の悠木さん。ブレない凄まじい巧さの演技で、見ている全ての人の心を掴むような演技を平気でやってのけていました。
他の声優陣方もとてつもなく凄いのでぜひ劇場で。
▽音楽
aikoさんの主題歌は作品の世界観にあったとても良い歌でした...
いや、ホントによかった...(語彙力
▽キャラクター
大天使
西宮硝子、石田(母)
めちゃ良いやつ
石田将也、ゆずる、永束くん、佐原さん、西宮(母)
偽善(?)めちゃいいやつ
真柴くん
偽善野郎
川井さん
性格崩壊(けど憎めない)
植野さん
などなど、様々な視点を与えてくれるキャラクターがたくさんいます。
原作のゲスさが和らいで映画だと許せる存在になったなぁと思うキャラもちらほら。
これに関しては個人個人思うところがあると思いますが何と言っても石田(母)の
{netabare}自殺するために稼いだお金なんていらない{/netabare}
は強すぎた...
▽総評
映画館で複数回泣かされたのは初めての経験。
それぞれのキャラが重たい設定を抱えていて闇を抱えています。
それを柔らかくしてくれた京アニの、山田尚子監督
この方が演出面からここはいらない、ここは重点的に、と取捨選択してくれたおかげで原作ほど病まず、スムーズに話が進んでとても見心地の良い作品になりました。中には原作が大好きで物足りないと思った方はいるかもしれません。でも私はこの方針が大好きです。
あと、恋愛要素もうちょい欲しかった〜みたいに思った方がいると思いますが、この作品のテーマは
伝えたい“こえ”がある。
聞きたい“こえ”がある。
です。
{netabare}それにあの石田×西宮を見てたら結ばれるのは必須ですから個人の妄想で補填しましょう。笑{/netabare}
映画のラストシーン。これこそ賛否両論あると思います。{netabare}なぜなら原作と全く違う結末を迎えるから。{/netabare}
しかし、この映画の題名にもなっている
"""聲の形"""
これを表現できたのは映画の方が圧倒的に強いと私は思います。
泣いて泣いて笑って最後のシーンを迎えられたのは本当に山田尚子さんのおかげです。ありがとうございます。京アニ様様、一生ついて行きます。←
最後に、この作品はナイーブになります。
辛くもなります。
しかし考えさせられる作品にもなっています。
無理に見ろ!とは強要しませんが、見たら人生のプラスにはなり得る作品だと強く感じます。このレビューを見て少しでも見に行こうと思えたのなら本望です。
それでは〜