Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キャッチコピーは「君の中の可能性(ニュータイプ)が、目を覚ます」
機動戦士ガンダムシリーズ…実は私の中で敷居の高さを感じている作品です。
何故なら最近放送されたレコンギスタやオルフェンズ以前に視聴した作品は1年戦争まで遡るので、これまで多くの作品と共に育まれてきた設定や世界観がスッポリ抜けてしまっているからです。
そのため、レコンギスタも相関性や争う目的が今一つ理解できずに視聴してしまいました。
オルフェンズは目的が分かり易かったので入り込めましたけれど…
今回のこの作品もしっかり入り込んで視聴できるかが少し不安でした。
この物語は「ラプラスの箱」という鍵を巡り、ネオジオン軍や連邦政府…そして財団の様々な思惑の中、主人公のバナージ・リンクスとヒロインであるオードリー・バーンが大きな波に翻弄されながらも真実に手を伸ばし続ける…こんな感じの物語です。
1年戦争は連邦政府軍側の視点で視聴していましたが、この作品…勧善懲悪モノじゃないので「正義」と「悪」の様な対極は存在しません。そのため、どういう視点でこの作品を捉えれば良いかがやっぱり私には難しい作品でした。
完全無欠の聖人がこの世に存在しない様に、登場人物が良くも悪くも人間らしいんです。
人の欲深さや独占欲、そして自己主張といった種としての本能が全ての原動力…
どんなに綺麗な着物で着飾っても、綺麗な言葉を並べてもヒトの本性は何も変わらない…
でも、他の動物とヒトが違うのは夢を追い求める事…そして思いを繋げる事ができる事…
これがこの作品から私が感じた事です。
主人公のバナージ…よもや自分がユニコーンガンダムのパイロットになるとは夢にも思っていなかたでしょう…一般の民間人として普通の生活を送ってきただけですから…
そんな中でオードリー・バーンとの出逢いは運命的…といっても過言では無いと思います。
彼女を追いかけユニコーンと出会ったバナージは、すでに渦中の人となっていましたが、彼を待っていたのは「痛み」でした。
「若死にするのは善人だけ」ビリー・ジョエルさんの作品でこんな曲がありました。
「美人薄命」こんな四字熟語があります。
こんな事が脳裏を過る出来事がバナージの目の前に突き付けられるのです。
モビルスーツの持つ力って人の手に余る力なんだと思います。
その力が正しく使われているうちは発展に大きく貢献する事でしょう。
けれど、その実態はボタン一つで簡単に人を殺せてしまう恐ろしい兵器…
そしてその圧倒的な力の前では人間は抗う事すらできないんです。
そんな痛みを真正面から受け止めるバナージ…彼が成長したのは望んだからではなく必要に迫られたから…壊れる訳にはいかなかったから…
「ラプラスの箱」は多くの血を流してでも守りきらなければならないモノだったのか…
また箱は何を指し示しているのか…
そして物語のラストをどの様に解釈するのか…
気になる方は本編でご確認下さい。
オープニングテーマは、SawanoHiroyuki[nZk]:Tielleさんの「Into the Sky」とAimerさんの「RE:I AM」
エンディングテーマは、SawanoHiroyuki[nZk]:naNamiさんの「Next 2 U -eUC-」、CHEMISTRYさんの「merry-go-round」、SawanoHiroyuki[nZk]:Aimerさんの「bL∞dy f8 -eUC-」とAimerさんの「StarRingChild」
どの曲もスケールの大きさが感じられる作風にピッタリな曲だと思います。
2クール22話の作品でした。ガンダムシリーズを視聴して思うのは、設定や世界観を知っていたらもっと楽しめる作品だという事です。
いつかこのシリーズを制覇できたら…と思います。