ブリキ男 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
妖怪や人との関わりを通して成長していく夏目の姿を頼もしく思う
夏目友人帳の2期に当たる作品です。
1期では主に妖怪との関わりを通して成長していく夏目の姿が印象に残りましたが、2期では人との関わりを通して見識を深めていく夏目の姿も多く描かれます。
前期から続投の夏目の良き理解者である同級生の田沼君と祓い屋の名取さんに続いて、今期では新キャラとして、彼らと同じく妖怪の存在を感じ取れる多軌透さんが登場します。タキさんは限定的な手段に頼らねばならないものの、夏目と同じく妖(あやかし)ものを見る力があり、それゆえに夏目と似た孤独な人物として描かれています。
{netabare}
6話「ずっと、こうしておしゃべりする事も出来なかったんだな‥」と自らの過去を振り返る様に、そっとタキさんの頭に手をのせる夏目の姿にはそこはかとない優しさを感じました。驚きから転じてほっとした表情に変わるタキさんの表情からも、肩の荷を下ろした彼女の心情が如実に伝わってくる様でした
11話は呪術師たちの会合に参加した夏目のお話。"大事なのは人か妖怪か"と名取さんに二者択一を迫られる夏目ですが、実の所はそう問うた名取さんもまた、祓い屋として冷徹にならなければならない面を差し引けば、使役する式である柊との関係を素直に認められないだけで、夏目側の人間であると言えます。優し過ぎる夏目の事を心配しての言動でしょう‥。
一方でこのお話では妖怪を邪なもの、利用すべきものとみなす、的場一門という存在が現れます。彼らは夏目達とは袂を分かつ者達と捉えるべきかも知れません。同じものが見えていようとも、妖怪に対する両者の評価はまるで違います。分かり合えるものと分かり合えないものを区別して、自らの意志を明確にさせる事もこのお話で夏目の成した事でした。
最終2話は不思議な少年カイのお話。花冠をかむった夏目、カイ、タキさん、3人の姿が微笑ましかったです。親子とか兄弟とか姉妹とか、優しさに包まれた人たちのいるこんな光景を見たら、思わず顔がほころんでしまいますね。
自他の隔ては大抵の場合は浅からぬもの、見えるものが違(たが)える場合には認め合い、同じくする場合は慈しみ合い、素直に人との関係を築けていけたらと思うブリキ男なのでした。
「(ニャンコ)先生傍にいてくれてありがとう。」私のあにこれにいる人たちに対する気持ちも夏目のそれと似ていました。気色悪いって言わないでね(笑)
{/netabare}
夏目の目を通して、妖怪のみならず、人との歩み寄りの気持ちも多く綴られた、第二期でした。