「少女たちは荒野を目指す(TVアニメ動画)」

総合得点
63.3
感想・評価
592
棚に入れた
2892
ランキング
4437
★★★★☆ 3.2 (592)
物語
3.0
作画
3.3
声優
3.4
音楽
3.2
キャラ
3.2

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

高校生がゲーム制作をする青春劇。微妙に面白かった気はしますが、決定打に欠ける凡作

「ゲーム作り、を題材とするゲーム」が原作の青春劇全12話です。
高校生の男女が集まってゲーム制作を目指すのですが、青春物としても、業界物としても、中途半端な感じ。
…ライトな同人活動&美少女ヒロイン萌えな「冴えない彼女(ヒロイン)の育て方」
お仕事アニメの皮を被りつつ実態は徹底的な百合萌えな「NEW GAME!(ニューゲーム)」
等のゲーム制作作品と比して、これといった見所が乏しいです。

では全くつまらないかと言えばそうでも無く。(ニコ動でリアルタイム視聴時、コメ出し合いながらそこそこ楽しく視聴出来ていた)
…三国志風に言えば「鶏肋(けいろく)」
凡作だが、切るには惜しいアニメでした…。

{netabare}『物語』
主人公の北条文太郎(ブンタ)が、黒田砂雪(俺ガイルのゆきのんっぽい美少女)にゲーム制作でシナリオライター(脚本家)に誘われ、他にも一芸に秀でた美少女3人(+1人友人の男子)が集まって、ゲームを作っていく…。
アニメ化は先輩な「冴えない彼女の育て方」が「ライトな同人活動」なのに対し、本作は学生とはいえ本格的に業界に打って出る、ガチな勝負物という差異あり。

…その割には学園物としてライトな雰囲気、と思いきや、ゴタゴタ発生で波乱含みの展開多し。
原因は黒田さんが大真面目に業界に打って出る意気込みに対し、テルハ(プログラム担当の腐女子)は趣味に拘る同人堅気、スタンスが決定的に異なる為であろうか。
サークル内部のこういう葛藤はリアルにありそうなテーマ、ここら辺が青春ドラマの軸になるのかな…?
と思いきや、その後もなりゆきで何となく和解したり、またトラブったり、いつの間にか水着回やら合宿イベントでライト寄りに流されたり…(それらもベタで面白味は微妙)
結局ガチ勢とエンジョイ勢のすり合わせは最後まで有耶無耶で終わってしまい、青春や友情ドラマ的な盛り上がりに繋がらず。
…テルハとブンタが漁船で海に出る話は、テルハの魅力とスタンス(のバックボーン)が少し伝わり、比較的好きな話でした。

ゲーム制作過程は全然伝わらないのですが、別にここは重視して無かったです。
本作は制作物というより青春劇と見ていたので。
ただ、後半にブンタが業界人から貴重なアドバイス受ける展開から、目に見える結果が見られなかったのは物足りない。

学園サークル物として見ると。
男女6人がゲーム制作というひとつの目標に打ち込み、学園物なノリを交えたやりとりは、会話劇含めそこそこ楽しかったです。
ここが、割と捨てずに視聴出来た理由かも。

青春劇とラブコメ面では。
夕夏(声優志望のボーイッシュな幼馴染)が声優としての壁にぶつかる「それが声優!」っぽい展開と、ブンタとの幼馴染ラブコメを通じて成長するドラマは本作で一番良かった。
萌え面では。少女たちがそこそこカワイイ以外に地味。

終盤のあからさまな嫌われ役との売り上げ対決…からの決着や、黒田兄絡みの生々しいトラブルでサークル崩壊の危機…からの逆転劇は、終わりは良いが途中の後味が悪いのが難でした。
高校生のライト寄りな作風に水を差している。
黒田さんが終始チームから浮いていて、十分な絆を感じない為か、終盤トラブルからの結束の流れに違和感も。
…ただ、終盤をもって本作の評価致命的とまでは思わないので、まあ良かったのかな、と思いました。

総じて
青春劇としても、ゲーム制作物としても、ライト寄りな萌えやコメディーも、雨降って地固まる的なドラマも、いずれも中途半端でかみ合っていなかった感じ。
ではどうしようもなくつまらないかと言うと、テルハと黒田さん対立回と(最終話除く)終盤以外は、そこそこ楽しめる要素は随所にあり、低空飛行ながら最後まで飽きさせない程度の面白さはあった。
…2.5点か迷います。
リアルタイム視聴時、結構楽しめてた気がするので、最大限好意的に。
駄作スレスレですが…ギリギリ駄作では無い気がするんですよ…。


『作画』
キャラデザが綺麗で安定感あり。黒田さんはかなり美少女。
なんですが、他作品にもよくいそうなビジュアルでもあり。
ボーイッシュな夕夏の方が印象的。
絵的には十分良かったです。

『声優』
千菅春香さんのクール系良かったです。
安定感ありますが注目は、声優志望の夕夏を好演した花澤香菜さん。
あなた押しも押されもせぬ人気声優じゃないですか!
収録で緊張して四苦八苦する様が絶妙…でも、ゼーガペインのカミナギよりは上手かったようなw
ボーイッシュな幼馴染ヒロイン自体もハマっていた、涙声もグッと来ます。流石。
剽軽なベテランライターの子安武人さんも流石でした。

『音楽』
OPは業界に打って出る意気込み感じる。EDは結構楽しい。


『キャラ』
ブンタは学園物の主人公らしい、コミュ力(というか調整力)に長けたタイプ。
黒田さんよりも、彼の方がプロデューサーっぽいような。
孤高な黒田さんのほぼ唯一の理解者にして、他キャラとも十分な交流があり、悪くはない主人公でした。

黒田さんは容姿と孤高さが俺ガイルのゆきのんと印象被る…
ブレずにゲーム制作に邁進、地味なヒロインながら、デレは可愛かった。
孤高過ぎてブンタ以外とはあまり分かり合えてない感じ。
いつも「流石北条くん」と言っていたイメージ。

ボーイッシュな幼馴染ヒロイン・夕夏は決して美少女ではないけれど、キャラ的には一番可愛い。

テルハは身勝手なトラブルメーカーで印象悪いのですが、職人気質な拘りはわかる。
漁船回で彼女の魅力は感じました。ただ、和解はきちんとケジメつけて欲しかった。

美少女イラストレーター、うぐいすちゃんが萌え的には一番かわいい。
でも、単にかわいいだけ…。

亜登夢は地味ながら良い奴であった。地味ですが。

ライバル女社長が非常に印象悪い。憎まれ役として必要悪とはいえ、あまり良い敵役とは思えない。
黒田兄は…一気に高校生ドラマに水を差す存在。{/netabare}

投稿 : 2016/09/17
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サンキュー:

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