黒鐵 さんの感想・評価

3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

思い出せば　辛いことも　懐かしいだけさ　（ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説　ＯＰ　未来をめざして　歌詞の一節より）

このアニメを観た次の日にスーパーに行ってみた。
２０時くらいだったか…？
店に入り僕の足はまっすぐ弁当売り場に向かっていた。
売り場に向かっているときに，同じ方向に歩く人をチラッと見ながら
（まさか，こいつは…）
と思いながら一人で盛り上がったり，
（いきなり，二つ名持ってる奴と戦えるかもなぁ）
そんなことを考えながら，店の中を歩いて３７．２秒，売り場に到着した。
そのとき，ちょうど店員さんが弁当にシールを貼っているところだった。
（あ，あれが噂の半額神…か！？）
僕はこのときワクワクしていた。
あの，半額神があの扉の中に入ったらバトルが始まるのか！？
僕は弁当は取れるのだろうか！？
そんな期待を１００％中２０％くらいしていた。
ついに，シールを貼り終わった様子の店員さんは扉の中に入っていき。
（ついに…始まるのか！？）
ワクワクワクワクワクワクワク…ワク……ワク………ん？
何も始まらない…
（ま，まあそんなことわかってたけどね…）
『はあ～，期待させやがって…
　これだから現実は…まったくブツブツ…
　まあ，仕方ない記念に弁当は買っていくか。』
と独り言を言って弁当に近づこうとした。
なんだかんだで期待している僕は，いきなりやられないように辺りを警戒しながら弁当に近づいた。
そして，並んでいる弁当を見てあらびっくり！
あ，あれ…２０％ＯＦＦ！？
は，半額じゃない！？
しかも，１０％ＯＦＦのシールに被せて貼ってあるし…
ままま，まさか１００％中２０％しか期待してなかったからか！？
僕の腕時計を見ても２０時１０分
（おかしいな，閉店５０分前なのに…）
店員さんに弁当がいつ半額になるかなんて聞きづらいし。
（どうしよう…もう帰ろうかそれとも…）

『はぁ～』
誰もいない帰り道一人でため息をついた。
僕は，何も買わなかった。
あのあと，閉店時間まで弁当売り場のそばで立ちつくしていたのだが…結局，本物の半額神は現れず，そのまま店を追い出されたのだった。
『こんなことなら，ミルホの録画観るか宿題やってりゃよかった。』

その日，黒鐵はたくさんのショックを受けた。
狼が現れなかった。
半額神が見れなかった。
自分の人生の限られた時間が無駄に減った。
眠かった。
宿題多かった。
お腹空いた。
録画観るの遅くなった。
半額にならないからお金足りなかった。

ちくしょ～やっぱり
『現実なんてクソゲーだ！』