ローズ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ガルパンでも有名になった大洗名物……それは鮟鱇∑(`□´/)
敗戦探偵と言われている結城新十郎(ゆうき しんじゅうろう)。
特殊な能力を持つ因果(いんが)や機械に詳しい風守(かざもり)と共に事件を解決する作品。
作品の舞台は終戦後の日本ですが、時代は近未来の設定なので、観ている方は少し戸惑うかもしれません。
太平洋戦争後の混乱した日本を再現したかったのでしょうが、原作をそのまま現在に当てはめる事は難しいと判断したのでしょう。
元々の原作が坂口安吾の著書『明治開化 安吾捕物帖』なので、その点は仕方が無いと諦めて下さい。
難事件を解決する探偵に魅力はありますが、探偵をサポートする探偵助手・因果と風守の手助けは必須になります。
因果の「どんな相手でも必ず質問に答えさせる能力」については、原作の時代性を感じさせます。
現在の警察の取り調べでも容疑者の自白は重要です。
科学捜査が進歩した現在でも自白を強要させる冤罪事件が起こっている事は、自白を重視した昔からの警察の悪い面です。
風守の力である あらゆる機械を操りハッキングできる能力は情報収集には不可欠になります。
風守自体が事件の容疑者にされ、事件が解決した後に なし崩し的に新十郎の探偵業を手伝う事となるのですが、嫌がる素振りは見せません。
風守自身が機械だと考えれば感情を持たない存在だと考えられますが、新十郎に協力している姿を見ていると 新十郎に対して少なからずの好意を持っているように思います。
本作品の一番の見せ場となるのは、海勝麟六(かいしょう りんろく)と別天王(べってんのう)が関わる事件でしょう。
この事件では別天王の異能の力である「言霊を現実化する能力」が重要になってきます。
別天王を従えることができれば世の中の人心を掌握できる大きな力を得る事ができる、という人間の業が事件の鍵ですね。
不思議な力を使った推理作品ということで敬遠する人がいると思います。
ただし、不思議な力を否定してしまえば、腕時計から麻酔針を飛ばしたり道路交通法違反になるスケボーを使った作品はどうなるでしょう?
「真実はいつも一つ」というよりは、「事実は一つ」という表現ができる作品だと思います。
海勝麟六は勝海舟がモデル。
下の名前が麟六というのは何故と思う人がいると思いますが、幼名が麟太郎(りんたろう)という事を知らないと難しいかな^^;
RAN-POではなくUN-GOにしたところがマニアックかな~。
時代設定や異能の力など、少しハードルが高いかもしれません。
諸々を含めて、いかにもノイタミナ作品という玄人好みの作品だと思います。