さる さんの感想・評価
2.5
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
色んな意味で惜しかった作品
前作に引き続きの鑑賞でした。まずは良かった点から、ストーリーでシビュラシステムの歪さや前作の近代的な世界観を引き継いでいた点は比較的安心して観れました。音楽や作画も1作目に劣らずサイコパス独特の作品構成に大きく貢献していたのではないでしょうか。
一方で残念だったのは、前作からの期待のハードル(キャラ・捜査物としての薄さ)、前作の槙島に比べキャラとして あまりにスケールの小さかった東金(過去最大の犯罪係数=狂気のマザコン)、視聴者にウザさ以外何も示せなかった霜月(朱ちゃんの小姑)、尺不足による消化不良、私が思ったのはこんな感じでしょうか。これだけは言いたいという残念ポイント3つを書きました。
以下
①とにかくキャラが薄い…
各キャラの役割がハッキリし噛み合っていた前作に比べ、今回は役割が発揮できていないまま終わってしまった印象でした。少ない尺でも、もう少し各キャラを掘り下げて欲しかった。
特に役割の噛み合わなさが目立ったのは朱ちゃんと霜月。本来なら最年少監視官という優秀キャラなはずの霜月ですが、朱ちゃんが更に優秀であるためタダの小姑キャラと化している点。
①圧倒的な尺不足…
ストーリーについては其処まで酷いものではなかったと思います。が、全22話の前回に比べ全11話という都合上、メインストーリーを進めるので手一杯感が否めない。これではホントに劇場版までのツナギのよう。主に常守朱ちゃんの超推理による展開の早さは違和感を感じざるを得ません。前作では、一見関係のない事件を重ねる毎に暗躍する槙島の影が徐々に明らかになっていきましたが、その点で今回は刑事モノとして内容の深みがかなり薄れてしまったのは、かなりマイナスでしたね。同様に尺不足で各キャラにスポットが充分にあてられなかった点も残念ポイント。
③結局なんだったんだ霜月…
見事に一貫した小姑キャラでウザ通した霜月さん。しかし、まさかウザいだけで終わるだけではないであろう、最後に何かあるはずだッ、と。そしてレズ以外にこれといった特徴や実績もないまま挙げ句シビュラに懐柔されるわけですが。結局最後までこの霜月は振り回されただけで終わるのが身も蓋もない。これが3つ目の残念ポイント。
個人的には霜月は最終的に自分の色相を濁らせると思っていたので、潜在犯に加担しても正常の色相を保ちきった今回の結末で、潜在犯に対して強い憎しみを持つという彼女の原点のアイデンティティさえも喪失してしまった気がする。
評価が賛否両論なのも頷けますが、今作に限っての良い点(サイコパスというシリーズとしての評価とは別に)はあまりない。近代・捜査物・ドローンという類似点で攻殻機動隊SACを出しますが、SAC2のような『2作目のオリジナリティや魅力』がサイコパス2では無かった。それと評価理由の一つとしては、これだけの材料(作画、音楽、声優、ノイタミナ)を用意されていたにも関わらず、今回の妥協したようなクオリティに抑えた点にマイナスをつけたい。