「氷菓(TVアニメ動画)」

総合得点
90.4
感想・評価
8358
棚に入れた
35385
ランキング
53
★★★★★ 4.1 (8358)
物語
4.1
作画
4.4
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

ぐーたら さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

堅実な現実的ミステリー

作画も音楽もキャラもとても良く内容も面白かったです。

ドラマや映画によくある現実的に起こらない展開になる事もなく実生活ベースの現実味のある話で自分は好きです。
しっかりとした知識があり推理のヒントの後出しもなく描写もしっかりしていました。
基本各話でスポットライトが当たる人物自身が、事件解決時に決して報われていないのが良いですね。
アニメを見た感想と要点を端的に(原作未読なので自分の解釈は違うかも(笑))
〇-------------
氷菓編:(全5話)
この作品の導入から、もはや古典となった文集「氷菓」の隠された謎に迫る話。

☆報われない人:千反田の叔父

文集のタイトルに込めた思いと、真実を知った現古典部がそれを題材にして新刊を作る。
素直に物語の締めに関心し千反田の叔父が死後にようやく報われた感じになりました。

〇-------------
クドリャフカの順番編:(全6話)

この話は凄かったですね。よく考えてまとめたなと思いました。

大量に印刷発注してしまった文集を完売させる為に奔走する奉太郎が、文化祭で起こった「十文字事件」を解決して文集も完売させる話。

☆報われない人1人目:総務委員長
昨年文化祭で売る為に合作で作った同人漫画の「夕べには躯に」。
今年は去年を上回る出来の新作を作る予定だったが、絵を担当していた生徒会長が描かない。
シナリオを読めば絶対書きたくなるのに!と直接文句を言えない総務委員長が「十文字事件」の暗号に込めて訴える。「お前はシナリオを読んだのか?」
生徒会長は実はシナリオを読んでおり、漫画にもう興味がないんだという事を知った総務委員長は項垂れて撃沈。

※新作漫画のタイトルが「クドリャフカの順番」で「十文字事件」はそのシナリオで行われていました。

☆報われない人2人目:福部 里志
友達である主人公に初めて「十文字事件」解決勝負で勝とうとするが、箸にも棒にも引っかからずに撃沈。
主人公は解決する目的では無く文集を売り切る事だけを考え犯人を特定し、文集を売る為の協力者とする。

☆報われない人3人目:伊原 摩耶花
漫画研究会の先輩との間に漫画に対する想いで確執があった。
昨年文化祭で売られ大好きな「夕べには躯に」を見れば分かると主張するが、その主張は自分も先輩も貶める事だった。
さらにその先輩は自分の好きな別の作品の作者だった事も知る。
結局自分は同じ夢で頑張っている人を貶していた事と共に、自分の非力差を実感し撃沈。

コンセプトは「諦めた自分」と「他人への期待」?

壁新聞サラっとみて「夕べには躯に」を奉太郎に渡す姉は凄いけど、どうして持ってきた?と言いたい。
クドリャフカの順番が売られていると思って持ってきたのかな?

千反田が奉太郎姉を見覚えがあると言ったのはなんでかな?奉太郎に似てる?
原作には書いてあるのかな?

〇-------------
愚者のエンドロール編:(全4話)

他の話では注意深く合理的な考え方をする奉太郎のキャラがブレブレだったのでこの話は嫌いです(笑)

文化祭で放映する上級生クラスの自作ミステリー映画。
シナリオ担当が倒れ犯人が分からず撮影は中断する。
途中まで撮影の終わっている映画を見て犯人を推理して欲しいと先輩の入須が古典部に依頼し物語が始まる。

本当の謎解きは「入須が仕組んだ今回の案件の真相」でした。

〇〇〇
不満1:主人公は省エネ思考なのだから、倒れたシナリオ担当の子の家に電話すればいいのに話題にも出さない。
(病気で入院だとしても滅多に面会謝絶にはならないですね)

不満2:シナリオを推理する上で重要なヒントをスルー。

ミスリードや情報提供者に抱く好みを差し置いても、明確なヒントとなる用意された道具とホームズの小説に挟まったメモの意味の考察を当初しなかった主人公は、他の話に比べて違和感が凄かったです。
〇〇〇

愚者のエンドロール編は主要キャラをタロットカードに例えていました。
元々キャラの設定をタロットから引用したのかな?

ピックアップして、奉太郎は「力」。千反田は「愚者」。入須は「女帝」。

奉太郎は優しい女性(千反田)にコントロールされているとして「力」と例えられました。

コンセプトは「力」を従えた女帝なのかな?
タロットの意味合いでなく文字通りの「女帝」というイメージで「力」(奉太郎)をコントロールした入須でした。

☆報われない人1人目:シナリオ担当の子
クラスメイトのアドリブと暴走で映画が撮影がされてしまう。
撮影された動画を見て、今更考えたシナリオは死人0だとは言えず撃沈。
クラスメートの批判から守ると言う建前で入須に病気になった事にされる。

☆報われない人2人目:折木 奉太郎
「才能がある」という入須の発言が嘘だった事には安心したが、色々頼まれたやったのに古典部員から不満も言われ、入須には騙され、上手い事使われた自分に腹が立ち撃沈。

(☆報われない人?3人目:入須)
「シナリオ担当の子を守る為」これが入須がみんなに言っていた行動理由。
実際はシナリオ担当の子を傷つけないようにシナリオを却下したかった。
プロジェクトの成功の為に、奉太郎を騙した事を「入須がしたかった事だ!」と奉太郎の姉に見抜かれていて、弁明するも無視される。
(入須は他の話ではタロットの意味する女性的で愛情のある様は見て取れました。)

最後に、好奇心・行動への衝動から「愚者」と例えられたヒロインの千反田が気になっていた事。
自作映画のシナリオ担当は千反田と同じで人の死ぬ話しは嫌いだった。
それが分かり愚者が納得した所でエンドロールとなりました。

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他の話もとても良かったです。
自分は奉太郎と摩耶花の会話や(摩耶花のジト目や)友達としての距離感が好きでした。
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千反田はアニメアニメしたキャラだったので、こういう作品は実写化されないよなーと思っていたらまさかの実写化でびっくり。

ドラマ業界さん勘弁してください。こういう場合のお金の流れが気になります!
(アニメ化済の場合、原作者の他に小説出版社とかアニメ業界にもお金入るのかな?)

きっと原作やアニメよりつまらなくなりそうで嫌だけど、結果的に作者さんのモチベが上がる事は良い事なのかな?
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☆バラ色生活に憧れを持ち始めた灰色な奉太郎。
☆名家の一人娘で奉太郎にタロットカードの「星」だと言った千反田。
(「星」希望・理想…恋愛:憧れの異性…仕事:才能の開花)

2人の今後がとても気になります!

投稿 : 2016/09/16
閲覧 : 139
サンキュー:

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