ペガサス さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
終わる世界
2009年公開の新劇場版二作目。
ここからテレビ版とは異なるストーリーへと分岐する。
前半は特筆することもないが、とにかくラスト近くのエヴァの覚醒には震撼した。
超人類としての男女の融合したアンドロギュヌスを、このような形で描写したアニメは初めてではないだろうか?
いわゆる原初のアダムへの回帰というオカルトネタである。
分離した他者を理解して受容するという行為が純粋に昇華された形として具現化されたもの。
庵野監督が超越したものを求めるのは、本気でこの世界を終わらせたいと望んでいるからかも。
それ以外にも戦闘シーンの演出が格好良くて、そのセンスの良さは庵野監督の優れた才能ゆえだろう。
三作目の上映以降、本人曰く「魂を削って」アニメを作り続けることで鬱状態になり職場から離れていたそうだが、最近また次回作の完成へ向け作業を始めたと報告があった。
どのような結末を見せてくれるのか、今から期待が高まる。
余談だが、映画館で上映が終わると同時に会場から拍手が湧き上がった。
このように賛辞を示す行為を見るのは日本の映画館では初めての体験であり、これも深く印象に残っている。