Progress さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
いかに描写を大胆で動きのあるものにするか
おそらく前クールの某野球文学作品をみているとわかると思いますが、ストーリーをただなぞるだけでは、アニメーションとして面白さがないというのが、最近感じています。
この作品の良い所は、アニメーション的な楽しさを、意識して作っていることです。
例えば、主人公、馬締がまさに言葉の海に溺れる、馬締がオフィスで働いているときの言葉が浮き上がる表現等の描写は、原作にはないでしょう。
非現実な動きののある表現をすることで、高揚感や没入感を産み出しています。
文学作品はなぜ、過剰な表現を求められるのでしょうか?文学作品は書き手が人物の行動や感情までを文章で代弁する三人称視点で書くもの(が一般的)です。
絵として起こしたとき、三人称視点で語るナレーター役はいないわけですから、人物の内面に潜む感情、気持ちの高ぶりを表現するには、多少過剰であった方が、伝わりやすいのかもしれません。
さらに、馬締が言葉の意味を答えるときの体の動きは言葉を分かりやすく表現するだけでなく、アニメーションとしての動きの面白さも作り出しています。
また、非現実を現実に取り込む表現は静かな思考の世界を表現し、出会いの感情の高ぶり、期待感、驚きを煽り、人物を魅力的に演出しています。