Progress さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
日本三大うどんといえば
香川県と言えばうどんですが、「日本三大うどん」という、日本で有名な三つのうどんを指す言葉があるそうです。ですが、実は五つのブランドがその言葉にあてはまるそうです。なんだかゆるりとしていて面白いですね。
{netabare}
さて、今作品はどのようなものかと言いますと、東京でウェブデザイナーをしていた俵宗太が父親の死を期に香川に帰省したら、幼稚園児くらいの姿に化けた狸のポコと出会い、生まれ育ったうどん屋の実家でいつ東京に帰ろうかと悩みながらも一緒に暮らしていくというお話です。
宗太は実家で暮らしていくうちに、帰省した姉だったり友人の中島、そしてポコと接していくなかで、高校時代に東京に出ると家を飛び出した当時のことや、死んだ親父さんとの思い出を思い出していきます。
ポコは純粋で子供っぽくて、宗太はポコを見てると子供時代を思い出して、あのとき親父はここに連れてきてくれた、親父は俺が東京に出たいと言ったあの日こう言ってた、と親父さんの愛情を気づいていきます。
親父ともっと話しておけば良かったと宗太は思い始める宗太は、小さい世界だといって嫌いだった香川とその小さい世界の象徴だったうどん屋の香りの事が、少しずつ和らいでいき、ポコと一緒に生活するためにも香川で仕事出来ないかと模索しはじめていきます。
化けの皮が剥がれる、何て言いますが、ポコの化けの皮も少しずつ剥がれていき、宗太と別れる日が近づいている様子。ポコは人間に化けれなくなる前に、どうしても宗太に伝えたい事があるようなんですが…
とまあ、あらすじ語りはその辺にして、私の感想を述べたいと思います。
物語
東京に出てったっきりの男が地元に帰って来て、そこで色んな親との事を思い出すという、時には強く、時にはゆるりと過去に向き合うというストーリーでした。子供時代の親の愛を気づかされるその様に心がざわめきました。
終盤に関しましては少し強引な展開じゃないかいと思いました。ポコのしっぽがどこについてるとか、花火の時の皆のポコへの目線の怖さとか。
過去と向き合い、心残りを無くせた宗太は前向きに生きていくのでしょうが、現実では中々心残りというものはけせないもので、かなりオチには願望があると言いますか、心残りのある人がみたら、きっと自分の事と重ねてしまうだろうなと、そう思えるような作品でした。
作画
ずっと安定してみれたと思います。
声優
宗太の声優である中村悠一さんは香川県出身なんだそうです。その中村さんとお友達である杉田智和さんが中島役。
親とケンカ別れで東京に出ていき、親の死に目に帰って来た宗太と、地元で仲良くしていた友達が帰って来た中島の胸中をお二人はどのように考えて演じていたのでしょうか。
音楽
これは音楽の項目に入れて良いのかわかりませんけども、EDが映像こみでとても好きなんですよね。あの家族が手を繋ぎ歩く絵、同じ布団で寝る絵、そのときの優しげな父親の顔、そして大人になった宗太の涙。親がどれだけ自分の事を思っていたか気づかされたその表情に、グッと来てしまうんですよね。
キャラ
宗太の姉や中島といった、高校時代の宗太を知っている人物が、当時の事を思い出して心を乱すその姿に共感を覚えますね。
中島に関して言えば、東京に友達がいってしまう事に複雑な思いがあって、今の宗太にまた香川にいてほしいという思いがあったりとか、それをストレートに言えずもやもやしてるその姿に共感してしまいます。
総評
ポコを通して死んだ父親への感情を変化させていく宗太と、宗太の回りの人間模様も鮮やかに描いていたと思います。
親子愛を肯定できる人にはおすすめです。
{/netabare}