退会済のユーザー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
青春らしい
まりいさんが絡んでいる作品にしては、さっぱりした感触を持ちました。
本作は主に焦点が当たるのは男2女2の計4人で、色々と青春時代特有の悩みを抱えている面々です。
とは言っても焦点が当たる比率としては、主にとある女子を筆頭としているきらいがある気がします。その子は幼いころ思ったことを、躊躇せず話すような子供でそのおしゃべりな性格ゆえに、口を閉ざすことになってしまった過去がありました。
他の面々に焦点が当たっていなかったと聞かれればそれはNOではありますが、心を一番叫んだ人物はその女の子でした。「心が叫びたがっているんだ。」いかにもな題名でしたが、青春時代もそれからも心は叫びたがっていると、そんな感慨深い思いに浸らせてくれる作品であるような気がします。
少女が口を開くきっかけになったのは、誰にでもありえる普通なことではありました。ただ、私は原作を読んでいたため、声が入るとここまで違うんだと感嘆した次第でありました。そんなことはアニメを観ている人からすれば、よく目の当たりにする出来事なのかも知れませんが、本作のそれは少しレベルが違いました。
感情というのは、仕草、表情、声、シチュエーション。どれかが欠けるとこんなにも違うんだなと、再認識させてくれる作品であり、そのどれもがピシャリと揃ったときの威力めいた叫びを感じた。それとともに、つい沈黙でごまかそうとしてしまう自分のずるさにグサリと刺さり、それが案外心地よかった。
それはそれとして、私はさっぱりした感触という個人的な感想なんですけど、泣かせにこなかったこと、全てがハッピーで終わらなかったこと、それが好きでした。全てが丸く収まる青春なんて、苦くない青春なんて・・・