sham さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
リアルなオタサーの日常コメディ
2004年の作品ということだけあって、作画やキャラデザはいかにも古い感じではあるが、
オタクがたむろするサークルの日常及び各キャラの外見や振る舞いに、
大いにリアリティが感じられ、
よくデフォルメされて描かれがちなザ・オタクではなく、
等身大のオタクと彼らの多種多様なサブカルへの熱意と造詣の深さが
とても上手く描き出されている日常コメディ作品である。
オタクの生態って実際にこんな感じなんだなっていうのがよくわかる。
(逆にこれと比べたら自分なんか全然オタクではないなとも思った)
ストーリー自体は特に起伏もなく、そのときどきで題材となる「サブカル」の種類(アニメ・漫画はもちろん、フィギュア、プラモ、コスプレに至るまで)を変えつつ、坦々とオタクたちの日常を描いているだけではあるが、
「オタクとは何か」「オタクあるある」「好きなものに対する熱意」などを中心的テーマに、(何度も言うが)本当にリアルに描かれている点が、
ある種心地よい面白さとなって視聴できる。
登場人物もそれぞれがいろいろな形のオタクを象徴していて、魅力的である。
主人公的存在(しかし存在感は薄い)の笹原は、
現視研に入ったことでその面々にもまれながら「オタクとして」成長していく。
存在感としては実質主人公みたいな班目は、
オタク的話題での饒舌さ、見た目やしゃべり方などにおいて典型的なオタク像を体現した存在である。
逆に見た目は美少年でまったくオタクっぽくないのに、実際はがっつりオタクな、特にゲーム系が得意な高坂。
穏やかだが、特に好きなコスプレとプラモのことになると熱くなる田中。
どもりがあって、漫画が特に好きな久我山。
コスプレやBLが好きで1期では唯一の女性オタクの大野さん。
そして、この作品でおそらく一番重要な存在となるのが、唯一非オタの春日部さんである。
オタクではない彼女の視点が加わるからこそこの作品で描かれている「オタクの日常」がより映え、面白くなっている。
さらに、あまり動かない物語に揺さぶりをかけたり、何か事件などを持ち込んだり起こしたりするキーパーソンとなるのもこの春日部さんなのである。
以上のようにそれぞれバランスのとれたキャラ立ちとなっている。
声優に関してもそれぞれのキャラに合った感じの声の演技となっていてよかったと思う。
ストーリー性や萌えなどを求めている人には向かないが、
だらりと見る日常コメディとしてはなかなかの面白さだったんじゃないかなと思った。
P.S.
{netabare}
最初に第一話見たときいきなり劇中劇の「くじびきアンバランス」から始まるが、見るアニメ間違えたかと思ったわ(笑)
{/netabare}