どらむろ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ネトゲ宣伝の3分半ギャグ。美少女+シュール系としては勢いあります
ネットゲーム原作で「神喰い」という敵と戦う美少女たちの冒険譚…と見せて、実態は呑気でシュールなギャグアニメです。
一見(いや実際)B級な作品ではありますが、独特な勢いあり。
キャラは可愛く、ギャグも中々キレがあり、後半はハートフル含め怒涛の面白さ。
…2016春でも何気にお気に入りの一つ。捨て難い魅力を感じる、B級とはいえ、もうちょこっと評価されていい気がします。
{netabare}『物語』
「これはこの世に厄災をもたらす神喰いと戦う少女たちの物語…」
というフレーズと、やたらとハイテンションにして露骨にキャラ紹介してくるOPでまず掴みはOK。
ゲーム紹介アニメとして優秀、美少女キャラがコマンド戦闘で神喰い蹴散らす様子がシュールかつ、安心感あり。
低予算故のB級さを開き直って、露骨にメタフィクションに走る作風が、独特のテンポを醸成。
ただでさえ短い尺をOPとテキトー極まる戦闘、そこから御当地の旅(飛ばされたりなりゆきで)を満喫したり、君たち何やってるんだ…。
ギャグというかネタ自体は凄く面白い程では無いのですが、呑気でちょっとシュールな感じが、3分半を前半怒涛のテンポから後半のグダグダそしてメタなオチまで小気味良くて飽きさせない。
「これも全部神喰いの仕業なんだ!」でゴリ押しする作風嫌いじゃ無い。
3分半アニメとして構成が巧いです。
小ネタやパロディーのチョイスも結構お気に入り。
前半は1話1話の内容はあまり思い出せない。
しかし、ストレスフリーであまり気張らずに楽しめたので、数あるショートアニメの中では優秀な作品と見ました。
…注目は後半9~11話、まさかの悲劇的&ハートフルな展開で意表突かれる。
静御前と、記憶喪失の少女ガー子の交流、温泉回あったりと百合な仲良しっぷり見せつつ、切ない展開に…。
ベタながら、しっかりと琴線に触れてくる。百合萌えも素晴らしい♪
ほっぺにタコヤキのタコが…芋けんぴ思い…出した!百合やシリアスでもネタやギャグのキレ健在なのが良い。
石破ラブラブ天驚拳!あら^~♪
ガー子の結末は…不覚にも少し涙腺が…。
※「超次元ゲイム ネプテューヌ」とか、おふざけ上等な作風で後半切ないハートフル入れてくるの好きです。
ガー子関連の展開がショート枠ながら交流→葛藤→王道で萌えもとい燃えるバトル!と目が離せず、かなり高評価です。
前半から続くB級なノリと勢いをちゃんと活かしつつ、怒涛の萌えと燃えと切ないが綺麗なラスト、神掛かっていた。
終盤12話の超展開も凄い。
「ハッカドール」を彷彿とするアニメスタッフの自虐ネタ?
巨大神喰いに対抗する巨大ロボバトル!その動力源が…アニメーターの死力を尽くした原画作業だった!
これは意表突かれるメタフィクション、本作で一番笑える主力ネタでした。
ドリンク剤投入されて酷使されるアニメーターたち…素晴らしいアニメは彼らが命を削って作ってるんだなぁ…。
古き良きスーパーロボットのネタも豊富、アマテラスちゃんがパーツごと飛ばされて目を回す辺りは70年代~90年代のロボットアニメパロディーでツボでしたw
オマージュとはいえ3分間に限れば全力投入なロボット戦闘も普通に凄かったです。
実質的に12話が山場、最終回だというのに13話はやっぱりいつもの鬼斬じゃないか!
相変わらず自重しないメタフィクション、でもあざとく萌えるから許す。
総じて全般にB級ながら、開き直って自重せずにメタフィクションをぶっちゃけつつ、ギャグにも萌えにもキレがありました。
アニメ作品として十分評価に値する力作、こういうタイプのアニメ大好きです。
『作画』
キャラデザがかなり可愛い。
手を抜くところは開き直って節約しつつつ、力を入れるべきシーン(風呂回やロボットバトル)はピンポイントで全力投入。
作画班が命削ったであろうロボット回は凄い。
メリハリがあり、全般的なクオリティー以上に映像に魅力を感じる。
見所は毎話のOP映像。
ハイテンションな歌と共に全員ピョンピョン跳ねているだけの素朴な映像なんですが、効果音と共に露骨に各キャラアップ紹介、これが妙に印象に残って楽しい&可愛い。
限られたリソースを最大限活かしてキャラ紹介する、良OPでした。
『声優』
静御前の鈴木愛奈さんがMVP。城下町のダンデライオンの栞ちゃんの人、天然な可愛さ良かったです。
義経の松井恵理子さんのボーイッシュも良かった。未確認で進行形の紅緒様ですが、城下町のダンデライオンでは七色の好演を見せた実力派。
三森すずこさん、橘田いずみさん、原奈津子さんも安定感あり。
ガー子の高森奈津美さんも好演。
男性陣はテロップのみで出さないと開き直る作風。小西克幸さんのナレーション良い味出していた。
ただ、一部拙い人もいたような。
『音楽』
OP「姫は乱気流☆御一行様」がとにかく印象に残る。
結構主題には沿っているし、なにより本作のノリと雰囲気を体現している。
こういう曲もまたアニソンらしくて好きです。
…11話の挿入歌として、王道な盛り上がりに貢献しているのも大きい。
『キャラ』
ショートの割には結構キャラが立っている。毎話のOPで露骨に紹介してくるのが効いている。
ボーイッシュな義経と茨木童子、天然系な静御前とかぐやとアマテラスに分かれる感じ。
各キャラ凄く印象的な程ではないんですが、キャラ付けが分かり易くてそれぞれ萌え所あり。
基本、全員アホの子で可愛いです。
やはり後半の百合の中心、静御前とガー子が可愛かった。
喋らない男キャラはネタ要員、ロボットの良作画を動かしたアニメーターさん、お疲れ様です…。{/netabare}