シロシロ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
第2話のヒモ解き
全25話からなるシリーズでしたが、結論は第2話ででてます。それを丁寧に紐を解いていく話です。
具体的にいうと自分の本当の気持ちに様々な出来事を通じて気づいていくという事です。
竜二→みのり 大河→北村が好きだという事ですが、その理由はただ憧れに近いものであり、なんとなく惚れている様な気がします。まさに青春です。
しかし竜二と大河のお互い大切な人、本当に傍にいて欲しいのは誰かというのに気づいていきます。
大河は竜二がプールで溺れた時、花火の時の大河の表情、そしてクリスマス。この辺で見てる側にも気付かせてくれます。その後正月普通に北村と話すあたりなど竜二より先に気づいている様に見えます。
竜二の方は文化祭くらいでぼんやりって感じで修学旅行の一軒でやっとという感じです。ただシリーズの話の節々に『大河がいないとなぁ』みたいなのがあります。
そんなこんなでお互い本当の気付いた竜二と大河は結婚をする決意をし、駆け落ちする事になります。その先で泰子を通じで家族の絆を確認し、大河は母親との関係の修復の為転校します。
ラストは第1話の竜二と大河のナレーションで言った様に、卒業式の日に竜二が大河を見つけて終わります。
全体を通じてですが、各登場人物の揺れる気持ちや、気付かない思いというところが青春って感じですごく良いです。
竜二と大河以外のキャラも一部を除き、落とし所がちゃんとあって良かったです。竜二を思っていたみのりと亜美が本当の友達になれたというのがこの話で二人が救われた場所かと思います。北村もラストで前生徒会長を追ってアメリカにいくという描写もあります。
主要人物の5人はキャラが立っていて、全員に感情移入でき、そこがこのシリーズから目を離せなくなる一因にもなってます。
感情移入できるからこそ最後まで楽しめる作品になってます。
ただ、首をかしげる所もあります。やっぱり駆け落ちのくだりはどうかと思います。家族の絆、みんなから祝福された上での結婚するという事を表現する為の手段としては唐突かなと思いました。結婚と言ったものの、それが実際にどういうものなのかを気付かせる表現方法でも良かったのではと。
あとはラスト、良かったのですが
『手に入れるべきたった一人が、ちゃんとそれを見つけられる。そういうふうにできている。』
このセリフに場面を重ねるなら、掃除道具のロッカーを開けて見つけるのでは無く、もっと探すのが困難な場所で再び出会った方がよりエモーショナルかなと個人的には感じます。
細かい点では、竜二の料理です。話を増すごとにだんだんおいしそうに見えていければ、それが大河への気持ちのメタファーになり、竜二の本当の気持ちが垣間見れるシーンになります。大河がいないとあまりおいしくなさそうな料理が見たかったです。
グーグルでとらドラ!を検索すると予測変換で第2期という言葉が出ますが、とらドラ!の世界をまた見たいと思っている人が多いのでしょうか?
話は完結してしまってますが、仮に第2期があるなら
今回ほぼ唯一の敵キャラ?みたいな感じであった大河の父親との関係に突っ込んで欲しいです。彼だけが因果応報か今作では救われませんでしたので。後は竜二を立派に育て終わった泰子です。育てた後はどうなるのかという所です。
後は駆け落ちの場面などをブラッシュアップした劇場版みたいなのもあれば嬉しいです。
終わってしまった話ですが、また大河に会いたい。そんな気持ちでまた見てます。