かしろん さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
初心者あるある
【どういう作品か】
{netabare}高校教師が
女子高生と
欲望のままに
色んなモノを作るのを
子供に見せつけ
時にテクニシャンな友人にその技を教わりながら
経験を積んでいくお話です。{/netabare}
【あまあまといなづま】
{netabare}甘々と稲妻。どういう意味の題名なんだ?
あまあま と いなづま
まづない と まあまあ
まづいな と まぁまぁ
まずいな と まぁまぁ
料理の美味しさを題名で表現。
アナグラムとリバースで、
まずいもの、まぁまぁなものなど無い
と宣言しているのだ!
な、なんだってーっ!{/netabare}
【初心者あるある】
{netabare}さて。
正直、それほど内容がある作品ではありません。
ごはんを食べる、ということの意味。
ただ、栄養を取る、というだけでなく、そこには色んな意味や要素がある。
食にあまり関心が無く、食が細かった主人公の先生が食に見出していく意味。
このくらいですかね。
今の御時世で、男の高校教師が、特定の女子生徒と私的な時間を持つことを
学校の上司に相談して認められるはずがありません。
それでも、本作は、高校が舞台です。
民間企業に勤めながら、男手一つでの子育ての苦労を描く作品としては
「うさぎドロップ」
という名作があるので、これに張り合うのは無理。
公務員だとある程度時間に融通が利きそうですが、料理を作る相方が一般
女性となるので、料理以外のものを作る作品に移行しちゃう。
相方が近所に住む姪っ子とかだと、そもそもとして、その親戚に頼る物語と
なるので成立しない。
妻を失った主人公が、相手に恋愛感情を抱くのにブレーキをかけるための舞台
装置としての高校教師と女生徒。
分からんではないけど、やっぱ、無理があるなぁ。
と、ここに文句を言っても始まりません。
肝心の料理ですが、非常に、初心者あるあるで楽しいです。
肩の力が抜けないので、包丁握ると疲れるんですよねぇ。
みじん切りの時によく見たくて素材に顔を近づけて切るので背中や腰が痛く
なる現象とかやってくれたら嬉しかったなぁ。
あと、ドーナツ。
初心者がやりがちなドーナツやホットケーキを焦がす事件。とんでもなく焦げ
やすいんですよね、糖分が高い素材は。
劇中でも、最初に菜箸入れた時点で油の泡立ちが激しい。
「あ、油の温度高すぎる。焦げるわ」
と思って見てたら見事な黒焦げ、中は生。
こんな感じで、全編に渡って初心者あるある。
楽しいです。
娘さんです。
カワイイですね。健気ですね。
あのくらいの子って、こちらが思うより、ずっとシッカリしてて、ずっとワル
で、ずっと強くて、ずっと弱いです。
その辺が巧く描けていると思います。
正直、子供の声を子供にあてさせるってあまり好きでは無いんですが、うさドロ
や本作のような場合、効果的なのかもなぁ、って感じです。
中村悠一と早見沙織がいいですね。
当初は中村悠一の声のハリを抜いた演技に言い知れぬ感覚を抱いておりましたが
慣れました。{/netabare}
【最終話まで見て】
{netabare}父と娘。
母と娘。
という片親同士の関係性。
このまま関係が深化していくと、犬塚親子に嫉妬したり、犬塚先生の父性に
絆されたり、色々ややこしいことになっていきそうな予感が無くもなし。
一歩間違えばもっと暗くなりそうなものだが、そこまで話が進むこともなく、
のんびりほっこりした良いアニメで終わっていった。
料理初心者あるあるも続いており、3枚おろしでホネ側に身が沢山など、誰もが
通りそうな道をちゃんと通ってる。
お好み焼きをひっくり返すときのドキドキはもうちょいためてやってほしかったし、
クレープひっくり返すのに端を摘んでアチッとか道具使おうとしてオタオタとか
やって欲しかった気もするけど。
その辺は料理全般が上達したんだと思っておこう。
父と娘、先生と生徒、生徒と生徒、先生と友人、友人と生徒。
料理を通じて広がっていく人の輪。
上に書いたように多少不自然な点もあるけれど、あんまりそこに囚われてもね。
料理初心者あるあるに頷きながら、元気に素直に我儘に、笑って泣いて怒って落ち込んでする娘さんの姿をのんびりほっこり愛でるアニメとして十分に楽しめました。{/netabare}