「planetarian ~星の人~(アニメ映画)」

総合得点
72.7
感想・評価
377
棚に入れた
1904
ランキング
1109
★★★★☆ 3.9 (377)
物語
3.9
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

そら さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

どんな時も決して消えることのない美しい無窮の煌めき

物語は、ゲーム(電子書籍?)で読める「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~、~星の人~」がベースで、
世界戦争で荒廃して雨雲に覆われた世界で、一人の男性(屑屋)がプラネタリウム解説員(ロボット)のゆめみちゃんとの出会いをきっかけに星屋(星の人)となり、人々に星をみる感動を伝えるために旅をしている、というお話です。

事前にWeb配信で二人の出会いと別れが5話の物語として放映されました。
映画では、その後、屑屋さんが星屋さん(星の人)となって人々に星をみる感動を伝えるために、世界を旅をつづけていて、とある村にたどりつくところから始まります。
星屋さんはそこで3人の子供(レビ、ルツ、ヨブ)に出会い、星の人を受け継いでもらうことになるのですが、物語が進む中で流れる星屋さんの回想シーンがWeb配信版の内容でした。

回想シーンを見るとWeb配信版を見ていなくてもあらすじが分かるようになっていて、でも、Web配信版とまったく同じというわけではなくある程度編集されていて、ところどころカットされていたり、新しく映像が追加されていたりしました。描き直された部分もあったような気がして、あらためて楽しく観ることができました。
一部映像の差し替えもされていて、ゆめみちゃんから見た視線・・・画面にロボットとしてのゆめみちゃんのステータスなどが表示されるときの描写が、星屋さんから見た視点に変わっていたと思います。
劇場版のでゆめみちゃんはほぼ星屋さんの回想として出てくるので、星屋さん視点だから、ということかな。

3人の子供に星を見せた後、星屋さんは、3人の子供から星の人に弟子入りしたいと、宝物のロザリオを渡されお願いされます。
星屋さんもそう思っていたのでとても喜び、変わりに自分の一番大切なものとして、ゆめみちゃんのSDカードを、星の人の証だと言って3人に託します。
若い3人に星のすばらしさを伝える事ができて、その想いを、ゆめみちゃんの記憶を引き継ぐこともできて、星の人も嬉しかったのではないかと思いました。
でも、この時、星屋さんはもう自分は長くないと分かっているんだろうな・・・と思うと、とても切なくなりました。

村の人々が女神像として祀っている像をみて星屋さんは驚きますが、それがすぐに自動人形(ロボット)だと分かります。
それは、星屋さんが村にたどり着いた理由が、うわさで自動人形(ロボット)をこの辺りでみた、という話を聞いていたから。
星屋さんが女神像に伸びているコードをさわると、コードにあるランプの赤点滅していた光が緑色になり、ロボットの胸の辺りのペンダント?も輝き始めます。
これが充電用のコードで、今まで充電されていなくて、充電が始まったという事かなと思います。
そして、耳の後ろ当りにSDカードスロットをみつけて(カチッと鳴った)、自分が持ってきたゆめみちゃんのSDカードを手に取ろうとしたとき、それはすでに3人の子供に託したことを思い出します。そこで少し口元がやわらかく動いた?直後、星屋さんは病で倒れてしまいます。
星屋さんは、SDカードを入れたかった・・・?入れないほうがいいと思った・・・?
女神ロボットにSDカードを挿入すれば、ゆめみちゃんとして蘇るかもしれない・・・でも・・・。星の人の想いは若い3人に、未来に託したんだ、という気持ちがあったのかもしれないですね><;。

夜、星屋さんが天国に行く直前、寝ているところにそのロボットが来ます。
星屋さんが3人の子供にもらったロザリオと、ロボットの胸のペンダントが光っていたのでその繋がりがあって来たのかな。
星屋さんの最後を看取りに来たようにも見えます。
そのとき星屋さんは目をさましてロボットに言います。

「門が2つなら俺は行かないぞ」・・・ロボットはやわらかく微笑みます。

ゆめみちゃんの「天国を、人間とロボットの二つにわけないでください」という願いと、星屋さんの分けてほしくないという2人の想いが伝わってきます。
・・・涙腺崩壊です。
その前に、回想シーンでゆめみちゃんが死んだシーンが流れていて、この場面、そしてさらに追い討ちです・・・

そして星屋さんの目の前に門が現れ、その門をくぐった先にはゆめみちゃんがいます。
天国はひとつでした。ゆめみちゃんの願いが届きました。
プラネタリウムのスタッフの皆とイエナさん、他のお客さん達も一緒に、最初に出会ったプラネタリウムで星屋さんを出迎えます。
ゆめみちゃんの話し方も滑らかで、涙も流せます。手に持っている花束も花で作られた花束です。
そこで、星屋さんは、ゆめみちゃんから、星のすばらしさを伝えて旅を続けていたことの御礼を言われます。
星屋さんは、報われた、と泣き崩れます。ゆめみちゃんに言ってもらえた事がとても嬉しかったのだと思います。
一生をかけて、星のすばらしさを伝える事ができて、その想いを、ゆめみちゃんの記憶も未来に引き継ぐことができたのです。

ものすごく泣いてしまいました。映画館の他の人も何人も泣いている声が聞こえました。
エンディングの曲、星の舟、も最高でした。
最後までだれも立つことなく見ていたと思います。

「プラネタリウムは如何でしょう…どんな時も決して消えることのない美しい無窮の煌めき…」

わたしにとっては、文字通り、どんな時も決して消えることのない美しい無窮の煌めきになりました。

投稿 : 2016/09/08
閲覧 : 325
サンキュー:

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