「君の名は。(アニメ映画)」

総合得点
91.2
感想・評価
2516
棚に入れた
11525
ランキング
39
★★★★★ 4.1 (2516)
物語
4.1
作画
4.5
声優
3.9
音楽
4.2
キャラ
4.0

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ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:----

君の名を叫びたがってるんだ。

そういえば「ここさけ」まだ見てねーや

2016年8月26日公開 上映時間107分
新海誠監督第7作目のオリジナル作品

【あらすじ】
千年ぶりとなる彗星の来訪を一か月後に控えた日本。
山深い田舎町で暮らしていて、都会の華やかな生活に強い憧れを持つ女子高生の宮水 三葉。
ある日、彼女は自分が東京の男子高校生になって念願だった東京生活を満喫する「夢」を見る。
一方、東京に住む男子高校生の立花 瀧も自分が田舎に住む女子高生になってしまう「夢」を見ていた。
度々繰り返されるその不思議な夢に両者はだんだん気が付いていく。「私/俺たち、入れ替わっている!?」と。
出会うことのない二人の出逢いを緻密で繊細なビジュアルとこれまでにないスケール感で描く恋愛ファンタジー作品。



そりゃ新海作品だから気にはなってたけど劇場まで足を運ぶのはちょっとなーって感じで
それでも観ようと思った一番の理由は新海誠本人が書いてる小説が出てたから。
「秒速5センチメートル」も「言の葉の庭」も小説版を読んでて
両作ともアニメ版の補完が素晴らしく、本編の評価をより良くしてくれた記憶があります。
つまり小説を読みたいが為にさっさとアニメのほうをチェックしたろーと思った次第です。


それにしても思い切った舵取りというか、恐ろしく正当なメジャーアップデートというか
ほしのこえ~クロスロードに至るまでの新海要素のベスト盤のような内容と、これまでと全く違った終盤の解答。
変わらぬ素敵な童貞ロマンチシズム。
そして一番届けたい層(だと思われる)10代の心に全力で届けることを目指して、見事に達成した作品。
余計な知恵をつけた後じゃ決して経験できない感覚を与えてくれる映画だと思います。
デートで観て、その後いい感じになれる装置として存分に使えばいいじゃない!!

ちょうど10年前に「時をかける少女」があって、さらにその10年前には「耳をすませば」があって
また心に残る青春ジュブナイルが生まれたことが素直に嬉しいです。


あとRADWIMPSの曲が予想外にめちゃくちゃ良かったわ。
昔もっとヘンテコリンな曲を作ってた印象があったけど…
なんか「染色体の頃から君が好きだよー」みたいなそんな感じの曲なかったっけ?



↓ネタバレありでもうちっとグダグダと
{netabare}
視聴前情報で持ってたのは見知らぬ男女の体が入れ替わるってことだけだけで
じゃあその男女が最後は直接会って終わるんだろうなーって予想がつきやすい話ではあります。
だから出会うまでの間をどれだけドラマチックに見せられるかってのが期待の大半でした。
そもそも男女入れ替わりネタって意外とやれることは少ないうえにやるべきことは決まってるネタだったりします。

おっぱいを揉んだり、おっぱいを揉んだり、おっぱいを揉んだりね。

だから序盤は軽いノリで小気味よいテンポ。『前前前世』でさらに気持ちをドライブさせて矢継ぎ早にイベントを消化。
入れ替わりイベントそのものの楽しさに加えて、入れ替わりは「夢」という曖昧で掴み所の無い結び付きだということを強調。
結果、中盤で3年間のズレと彗星落下の事実が発覚するまでまんまとミスリードされる構成は素直に上手いと思いました。
さすがに3年間ズレてれば気付く?ダッテユメナンダカラショウガナイジャン。
入れ替わりが何故起きたの?とか、瀧が口噛み酒を飲んで再度入れ替われたのは何故?とか
そもそも入れ替わり能力が代々受け継がれる宮水家って何なの?とか
十中八九、三葉の親父も入れ替わり経験者なんだろうけど明確な描写がねえなとか。
糸守町や宮水家の描写不足が手伝って神社・巫女要素と口噛み酒はいらなかったんじゃね感が残りました。


田舎の歴史だの風習だのは置いといてやっぱりこの作品の主題は瀧と三葉の恋愛関係であって
新海監督が新旧作一貫して描いていたのは恋愛を通して男女の『距離』であったり『すれ違い』でした。
遠距離という物理的な距離だったり、立場の違いから来る距離だったり、
いなくなった人の面影を重ねてしまうことでのすれ違いだったり、
忘れられない者と前を向く者のすれ違いだったり。
今作の『距離』と『すれ違い』には過去作すべての要素が内包されてます。
「ほしのこえ」の時間、「雲のむこう、約束の場所」の夢と現実、「秒速5センチメートル」の物理的距離
「星を追う子ども」の生と死、「言の葉の庭」の立場と年齢。
これに「君の名は。」独自の要素を加えるなら魂の距離とか記憶のすれ違いとかなんですかね。
過去作のテーマとも言える要素を全て踏襲したうえで映像的な快感と純度の高いエンタメ性、
何より絶望的な断絶の壁を10代の想いのエネルギーで打ち破るラブストーリーというのを
真正面から全力で描き切った真摯さにもう感動ですよ。愛は勝つんや!!


【すごいどうでもいいこと】
携帯のメモ帳が消える際、文字化けしながら消えるシーン。
あれじゃ誰かが悪意を持って消してるみたいで違和感。
目を離した瞬間フッと消える演出で良かったんじゃないかと思った。

【すごいどうでもいいこと2】
パンフレットのサイズは全てこれに統一してほしい。
このパンフパンフしてない感がよくない?
通常サイズだと本棚の収まりがわりいんだよ!
あと結構情報量もあって価格も安めだし、
何よりページ稼ぎのための劇場グッズ紹介のページが1Pしか無かったかなりの優良パンフ案件でしたぞ。

【すごいどうでもいいこと3】
やっぱり最後は前前前世で締めてほしかった!
いや、わかるんだけどさ。売れる映画的には余韻を残すバラードで締めたいってのは。
でも見た後の走りださずにはいられない感じのアレがアレでアレしたかったんや!!!{/netabare}

投稿 : 2016/09/05
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サンキュー:

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