ねこちゃん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
言わしてもらいます。
秒速5センチメートルを視聴したの少し前ですが、その時のこの作品を見た感想は今でも覚えていて、個人的にはかなり評価が高いです。
この作品のテーマは「恋愛」だと思います。
この作品は3部あり初めの一部では子供の頃に好きになった人と付き合うような感じになり、離れてしまった女の子の元まで雪の中電車に乗り長い時間をかけて行くという話で、二部では高校生の話で離れている彼女のことを思いながら好意を向けられている女の子などを描いた話になっており、最後の三部では社会人になりお互い違う相手を見つけ付き合うという話です。
で、言いたいことがあり、この作品は見た人や見終わった人などが「あの映画は鬱」「秒速は見たら鬱になる」「絵が綺麗なだけで、話が面白くない」秒速と聞いただけで「あー鬱映画ね」など聞いていて寒気がします。言いたいのはこの作品の良さをまず理解してない、だいたいこんなことを言う人はネットで鬱映画とかよく言われてるからそれに流されて鬱鬱いう人や、最終的に主人公の女の子と男の子がくっつかず終わってしまったから鬱鬱など、まじでにわかというかなんというかね、そういう人たちはあまりアニメを理解せず評価するから、そういう人たちにアニメを評価してもらいたくない。ということが言いたかったです。
この作品の良さは現実的な恋愛をアニメにしているということです。←これが凄いのです。主人公である一人の男の子の子供の頃から大人までの恋愛のドキュメンタリーをアニメーションにし、それを芸術化しているというのが正しいのかもしれません。
まず一部ではその男の子と女の子が出会い、そして好きになり、離れることになり、それでも会いに遠出するという回ですが、まず、電車でかなり遠いところまで行ってるのがわかるくらいの電車のシーンの長さ、大雪の中でも会いに行くという描写の仕方などは、どれくらい時間が経とうとも、どんな事があっても会いに行くというこれくらい好きなんだというのがかなり伝わると思います。女の子も大雪で電車も止まりそれでも待つというこの描写からもわかると思います。
それから二部に移り高校生の話になり男の子の視線だけで描かれていて、この回を見ればわかるようにもう女の子とはほとんど会っていません。ですがそれでも忘れられないけど、好意を向けられている人には気をちゃんと遣うなどの描写になっています。
それからラストの三部の社会人になった2人は違う道を歩むことになります。女の子の方は違う男の人を見つけて生活します。男の子の方は彼女もいたり、でも昔の事も少し考えてしまうかのような描写になっています。
子供の頃はあそこまでして会いたかったお互いは、成長するにつれて環境も変わり、自分自身も変わっていき、最終的にはお互いはくっつく事なく違う道に行くというのはとてもリアルで、実際自分達が子供の頃に好きだった人や付き合ってた人なども時が経つにつれて飽きちゃったり、別れたりで、最終的に付き合う人や結婚する人などは子供の頃の人とは違うと思います。これがこの作品の凄さでこんな現実的なドキュメンタリーをうまくアニメーションにできていて、さらにこのアニメーションを芸術的にする、絵の綺麗さや音楽の良さなどが合わさりここまでの作品を作り上げています。
はっきり言ってこんな人生の恋愛自体をアニメーション化するというのは本当に難しいと思います。それをここまでの作品にまで作り上げている新海監督は本当に凄いと思います。新海監督の作る作品には1つ1つになにかテーマがあり、この作品のようなリアルな恋愛を描いた物語など、凄いとしか言いようがないです。