101匹足利尊氏 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「下田ではトキドキ少女は空を飛ぶ」
寿美菜子さん、高垣彩陽さん、戸松遥さん、豊崎愛生さんによる
声優歌手ユニット・スフィアが主要キャラ4人を演じる。
主題歌も挿入歌も歌う。
静岡県・下田市を中心にした聖地巡礼もアピールする。
ローソンなどの制作協力企業も強力バックアップ。
……と賑やかな外面だけを見ると、声優アイドル推しの萌アニメか?
そこに夏休みに願いを叶える“御石様”がキセキを……。
となると良くて露骨な感動系涙腺攻撃も交えた夏アニメか?
などとつい要らぬ先入観を持ってしまいがちですが、
本作は萌えよりむしろ心情描写を重視。
無理に感動を煽るタイプではなく、大人が忘れ去ってしまった大切な感情を
そっと思い出させてくれる、繊細な青春アニメです。
御石様も気まぐれに女の子を飛ばしたり、飛ばしてみなかったりと能力控え目。
けれど、思春期の少女たちの心の揺れ動きはしっかり見守っているようで、
少年少女の健全な心の発育に、“見返りなし”(←昨今の深夜アニメでは貴重な存在かもw)
で寄与してくれます。
私が印象的だったエピソードは第三話。
{netabare} 前二話で少女たちがこじらせた親友との喧嘩に対し、
不思議な力が、そっと仲直りを後押しする……。
ここまでなら割とありがちなプロットですが、
第三話では、そこからさらに、
友達と仲違いする痛みと不安、修復できた時の喜びと安心を知った少女たちが、
年下の弟世代に生じた友情の亀裂を元に戻そうとする話が展開。
それがなかなか上手くいかなくて、感極まる。
その細やかな心理描写を観た時、
私はこの夏アニメはひと味違うなと引き込まれました。{/netabare}
もう一つ、本作のラストエピソードも印象的。
{netabare}終わって欲しくない夏休み終盤のある一日が、“御石様”によりループするお話。
この夏は終わって欲しくないけど、終わらないことは心には残らず、思い出にならない。
それをそっと伝える、好エピソード。
そう言う意味で、本作は過ぎゆく夏を諦めきれない人にもオススメな夏アニメです。{/netabare}
外面の印象ほど、派手さはないのですが、
内面の心理描写により、再発掘された純心が、
心の隙間にやんわりと染みてくる……。
確かに見返す価値を有した夏の青春アニメです♪
余談
それにしても本作でコラボして、作中にまで出張ってくるローソン。
青の店舗が、夏空に意外にマッチしていて、私は嫌いではありませんが……。
この後も、ローソンは『アイマス』や『ラブライブ!』等ともコラボして、
青っぽい人の限定キャラグッズ等を中心に続々とキャンペーンを実施。
見境なく二次元アイドルにがっつく姿を目撃する時も、
私が『夏色キセキ』を思い出す瞬間だったりしますw
ローソンの担当者とは一度、二次元アイドルや声優アイドルについて、
徹夜で語り明かしてみたいですw