kochiro さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
期待値を超えてくれた作品
久々にレビューを書きたくなった作品だった。
作者の年上の女性に対する憧れが強く感じられ、また、今どきの高校生はこんな感じなのかと思うような場面もあり、中高生の支持が高いことから会話の内容には問題がないことがわかったが、劇場で笑いがあまり起きていないことから、作者の作品に笑いの要素を含めることが困難であることがはっきりと感じられた。
これは美術館で作品を観ても笑いが起きないのと似ている。それだけ映像に観客を魅了する引き込む力があることを示している。
これまでの新海作品を知っている知らないに関係なく本作品の映像美に対して笑いを起こさせてしまって良いものかという日本人的な感覚があるから笑いを誘う場面でも笑い声が起きないのだ。
最後はどのように終わるのかを想像させる時間を長くとっていることから、観客がこの間に何を感じるか、個人個人の思いをめぐらせて一人ひとりが異なる結末を描く、まるで、自分が今何を求めているのかを知る時間を用意してくれているかのようだった。
もっと見ていたいのか、終わってほしいのか、期待、不安、楽観、失望、巡り巡って、劇場にいる自分の存在に気がつく、そう、君の名は。