ダレイオス さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
非道徳なシーンがあり有害アニメだがエンターテイナーとしては楽しめる面も
平和だった日本である日、突然人間が化け物化して
襲ってくるパニックものですね。
最初の人間の化け物化が病気をにおわせていたり
噛まれたら同じく化け物化するなど、設定は既存の海外映画作品に似ていて
それらを踏襲している感じですね。
著作権絡みからなのか、それらを「ゾンビ」とは呼ばず「奴ら」と作中の人達は述べているけど
一般的には化け物はゾンビと呼ばれるもので
平たく言えばゾンビものですね。
本作では高校生である主人公、孝が学校にいる時に
ゾンビが出没して、学校に危機が訪れるもので
混乱の中ストーリーが進むものでした。
段々混乱していく学校内の出来事は丁寧に進むもので
危機感の描写も中々で、仲間がやられたりの展開も絶望感のある
演出は素晴らしく序盤の出来はこのジャンルとすれば
十分な出来はありました。
序盤はその場にある、掃除道具やバットなど身近なものを武器にして
ゾンビに立ち向かい緊張感のある戦闘をしていましたね。
カメラワークがあらゆる角度から映しだされて
戦闘は見応えはあるし、グロの規制もゆるくて
血しぶきも飛びまくり視聴者に遠慮のない映像の数々は
このジャンルが好きな人には十分に満足させることが出来る
内容だったと思いますね。
それに加えて、露骨とも言える、パンチラや胸が揺れまくる
エロも遠慮なく挿入される作風と
やはりこの手のジャンルの好きな人には十分に満足させることが出来る
内容だったと思う。
もちろん、それにともない、この手のジャンルが嫌いな人には
有害アニメにも指定されかねないし厳しい評価になると思うので
人を選ぶアニメですね。
個人的にはパニックものだしやるかやられるかは
このジャンルとしてはある程度は納得出来たし
エロも自分の趣向に合っていたので問題なく見れました。
ただし、やっぱりというか序盤を過ぎると段々主人公側がゾンビを押し始めて
有利になり、緊張感のある戦いが徐々に薄れたかな
最初のころは、まじめにゾンビの脅威に怯えながら死闘を繰り広げるものに見えたけど
そうではなくてこちらから喜んでゾンビを倒している感じが強くなったかな
このせいで、ジャンル的にはゾンビの脅威に怯えるものから
1人で、ゾンビを沢山倒すものになり
さらにゾンビはあんまり強くないし
棒立ちなシーンも多くゾンビの弱体化が目立ち
ゾンビ退治ものなり、アクションエンターテイナーになったかな
それと同時に内輪もめの兆候も見られ始め、ゾンビが舞台装置になっていったかな
世紀末世界だから狂った人間とか出てきたり
主人公も通常の生活ではありえない火事場泥棒的なことをやったりで
世紀末世界ならではの展開も多かったと思う。
人間はここまで汚くはならないと思いたいけど
冷静に考えると暴動や略奪が起きない方が変だなとは思うので
ある程度は納得出来る場面はあり
そういったシーンを見届けるアニメでもあるかな
ジャンル的にも酷い人間がいないと
盛り上がらないのがあると思うので作風ともみれなくもない。
でもね。そうは思いつつも流石にふざけたり狂いすぎだろうと思うシーンはあったと思う。
悪人なら納得はいくけど、そうではなくて一般人も酷いからね。
もうちょっとゾンビになった人達のことを考えたりの心理描写は
欲しかったし理解しかねる行動は抑えて欲しい面もあったね。
実は1話からその兆候があるんですよね。
人間の汚いない部分は納得出来る部分出来ない部分半々だったかな
非常時とはいえ理解出来ない非道徳行為は多い。
映像面の良さからアクションエンターテイナーとしては楽しめるのだけどね。
後半はアクションエンターテイナーをやりつつ
その後、みんなで状況を整理する展開だったと思います。
なんで、こんな汚いことをしてしまったのか
とか、世界はこれからどうなるんだ?を考えたり
ある程度は心理面には気を使っていて納得出来る場面もあったと思います。
ただ、内輪もめに関してはアッサリだしストーリーものとしては
それ程、優れたものではなかったと思う。
電力が無事な理由も苦しい補足説明だけど言及していたり
整合性にも無理やりだが意識はしていたかな
ことあるごとに「映画みたい・・・」とか「ハリウッドなら没にされているシナリオ」とか
劇中の登場人物に喋らせたり、テロップで現実の法律とは違うと入れたり
アクションエンターテイナーをやる上での問題点は制作者は理解しているので
制作者が何も問題点を理解していないアニメとは違うようですね。
心理面でもそういった問題点に気を使いながら
アクションエンターテイナーだから許しての内容で
あくまでもゾンビものとしてアクションエンターテイナーを堪能する内容だったです。
作画については上で書いた映像面の良さ以外にも
キャラの作画や銃器の作画、ゾンビのグロさも
しっかりしていて、このジャンルを構成する
ための作画的要素はレベルは高かったと思います。
グロさゆえ映像面で引いてしまう部分も作画レベルの
高さの証明だと思いました。
声優さんについては作風からなのか高校生ながら
大人びた演技で作風に合ったキャスティングだったですね。
さらにこういった作風のアニメだと演技力が低いと
展開に水を差すをとは思うのだけど
そういったことはなく演技力はしっかりしていましたね。
個人的には満足ですね。
4話ぐらいまではまじめなパニックゾンビものをしていたので
素直に楽しめたけど、それ以降は思ってたものとは違いましたね。
ストーリーはそれ程は・・・になり
エンターテイナー色が強くなりゾンビ退治ものでした。
思ってたものとは違うもののエンターテイナーしては
楽しめる場面はありました。
その助けとなったのは作画面、音響面ですね。
音響面は劇中の曲は良いし毎回EDは変えてきたりで手を抜かない
しっかりとした作りで終わり方の場面場面の雰囲気に合っていて
出来は凄く良いので作画面も含めて演出はクオリティーは非常に高かった。
キャラの行動は世紀末世界ならではの酷さは作風とみれなくはない部分は
あるのだけど、それでも理解しづらい非道徳な場面もあるので悩む所でした。
後半はそれもあって心理面で気を使っていたとは思うので
納得出来る部分はあったとは思います。
エンターテイナーとしては楽しめるが
この手のジャンルそのものが嫌いな人には有害アニメと指定されて
「0点」のアニメでもしょうがないでしょうね。
私の点数はあくまでもゾンビアニメとしては
楽しめたということでこの点数ですけど・・・
酷い内容のアニメではあるけど出来が悪いアニメとは何か違う気がします。