ストライク さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
名前は忘れても この想いまでは忘れない
本編106分
新海監督の過去作
「言の葉の庭」「秒速5センチメートル」
僕的に、この2作品だけでも観ておくと、本作品をより楽しめるかもしれません。
ネタバレ感想
新海監督の作品は、全て観てます。
この人の作品って、素直なハッピーエンドが殆どないな!ってイメージがあったので、観る前はこの作品も切ない系かな~って予想しての鑑賞でした。
結論から言うと、最後はGOODエンディングで、とても感動し、泣けました。
作中、幾度と「紐」(線) 「結び」につながるキーワードが目につきました。
作品のポスターに描かれてる二人と空にある二つに分かれた彗星の軌跡(動線)
彗星が描く二つの軌跡が線として = 瀧と三葉 二人の「結び」ととれる。
三葉が髪を結ってる紐=瀧の腕に着けてる紐 (組紐)
二人がやり取りしてた携帯 (LINE-線-紐)
三葉が住んでた糸守町という地名 「糸」=「紐」
作中、幾度と出て来る電車(線) ちょい強引かなw?
これは、瀧や三葉が、互いに相手の地元へ向かう時に乗って移動してるシーンや、物語最後で互いが別々の電車の窓で気が付く出会いなどが印象的です。
新海監督の過去作による「結び」
作中に「言の葉の庭」の雪野先生が登場(CVは花澤香菜さん)
生徒と教師で、同じ年上との恋仲になる関係性(作中、瀧は三葉より3つ歳下。瀧のバイトの先輩にも憧れてたし)
「雲のむこう 約束の場所」と同じ夢繋がり(最初二人は夢と思ってた)
「ほしのこえ」のウラシマ効果的な、時間軸の違いで生まれる悲劇
「秒速5センチメートル」を彷彿とさせるラスト
あと、瀧の家にあったネコをあしらったマグカップ。「彼女と彼女の猫」
など、過去作と「結ぶ」この新作は、新海監督の集大成とも言えるんじゃないかな。
映像は流石に新海監督の作品だけあって、とても綺麗
特に、背景は写真かと思うようなシーンもありました。素晴らしかったです。
声優さんは、 神木隆之介さん、上白石萌音さん、長澤まさみさんと、芸能人がメインにやってましたが、別段気になることもなく、普通に上手かったとおもいました。
僕的には、作中、実は3年のズレがあって、しかもタイムリープ的事象などもあり、驚きと感心でした。
でも、3年のズレって、いくらなんでもTVニュースやカレンダー見たり、流行歌だって違うんだから気が付くんじゃね?って思った。
あとは、瀧と三葉が惹かれあう要素が観てて薄かったように思えました。
というのは、2~3回目辺りからの入れ替わりから、入れ替わりが出来なくなるまでのシーンが、歌と一緒にダイジェストみたくなってて、気になる存在になるのは解るけど、好きになるきっかけが・・・というか、互いに惹かれるとこの印象が解り辛かったです。
まぁ、う~んと思ったのはこの二つくらいかな?
(でも、106分の映画にまとめるためにはしゃーなしだな・・・とも思う。1クールだったらもっと丁寧にココが観れたんだろうけどね。)
他に良い点は、笑える所があったのも良かったですね。
最初の入れ変わりでおっぱい揉んじゃうシーンでは、やっぱ揉むよね~っとクスっとしたし、最後の入れ替わりで、生きてる四葉に抱き着こうとして襖を閉められ拒否られるとことか。(このシーンは、嬉し涙と笑いの両方でした)
あと、巫女酒の件でクスっと笑えたりと、いい緩和剤にもなっててよかったです。
切なかったとこでは
三葉が電車に乗って東京まで瀧に逢いに行くも、瀧は三葉と知り合う前のこと(この時、瀧は中学生)なので、当然 三葉のことは知らない訳で・・・
自分だけしか知っていない関係で、話したくても話せない、なんとも切ない場面でした。
こういうのが好きな方は、今年の冬に小説「僕は明日、昨日の君とデートする」が実写映画化されるので、是非観に行って欲しいです。
勿論、自分も観に行きます。
ラストの舞台は東京
二人は社会人になり
またあの「秒速5センチメートル」のようにすれ違ったままなのか?という、ハラハラどきどきでした。
でも、タイトルからして最後は必ず出会ってくれると(半分願望)信じてたから、じれったさに悶えました。
特に、ラスト前の雪の日のシーンで、傘をさしてすれ違い、振り向くも二人のタイミングが合わず気付かずに通り過ぎてしまうシーンは、うわ~またこのパティーンか?でしたよ。
その後、別々の電車の窓から互いを見て気づき、次の駅で降りた二人が互いを探して階段で出会うシーンは・・・
やっぱ感動で泣いてしまったです。
彗星震災から8年。
お互いを知った入れ替わりから5年後の2021年
二人が失くした心の喪失感は半端じゃなかったと思います。
5年は長い!そんなん絶対泣く。
名前は忘れてしまっても、お互いを探し求める想いまでは忘れないって切なすぎます。
「君の名は」で終わったラスト
欲を言えば、二人の後日談を観たかったですが、映画として綺麗なラストではなかったでしょうか。
「結ばれたこと」を描くのではなく「結ばれるまで」を魅せる物語
記憶に残る素敵な作品でした。
僕的に、新海監督の過去作の中で一番好きな作品になりました。
(個人的にはこういうGOOD EDの作品を増やして欲しいです)
お気に入り棚決定です。
感動をありがとうです。
自分、映画館で同じ映画をお金払って2回は観た事ないけど、この作品なら
もう一回、映画館に観に行きたいなって思いました。
今の時代、半年待てば数百円で円盤レンタルできて何度も観れるんだけど、その半年が待てないかも^^;
BD買います。
余談
岐阜県民の自分はニヤリでした。(一瞬、岐阜駅見えた!?)
作中、登場した三葉の住んでた『糸守町』は聞いたことなくて、どうやら架空の町のようです。
調べたら
糸守町の町並みは、湖以外は宮川町をモデルにしているのではないかと思われ、
湖は新海誠監督の出身地である長野県南佐久郡小海町にある松原湖や、長野県の湖として有名な諏訪湖がモデルかも・・・っとの事です。
PS
5日後にもう一度映画館へ一人で観に行って来ました。
タイムリープものだけあって、1回目で解らなかった、この時のキャラの心情など、いろいろ気づきが多々ありました。
本作は、2度、3度と視聴しても楽しめる作品ですね。