岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
唯一無二のオリジナリティー
原作未読。「菌」を題材にしたアニメというか、作品を創ろうという発想力にまず脱帽。おまけに菌がデフォルメされて見えるという設定も、アニメ向けでいい。オリジナリティーという点では唯一無二の作品だと思う。
同じノイタミナの作品では「銀の匙」と方向性は似ているものの、同じ農業でも銀の匙は酪農、本作は発酵・熟成といった分野に重きを置いている感じがする。作中でも触れていたが、一概に農業といっても範囲が広いということを改めて知った。
逆に両者の共通点と言えば、狭い世界に生きる若者の物語という点だろうか。主人公や親友はそれぞれ実家の家業を継ぐ立場にある(院生の女性も別の意味で籠の鳥)。大学という残り僅かなモラトリウムをいかに過ごすのか、という点は物語にとって重要なファクターであると思う。その点において、結城の休学の件は若干引っ張りすぎてうやむやになったが、本人の気持ちはなんとなく理解できた(なぜゴスロリなのかは置いておいて)。
菌の話題に関しては身の回りの発酵食品やお酒を例にあげて、色々な解説がされていて興味深かった。が、そういった知識に興味がない人にとっては難しく退屈な時間かもしれない。どちらにしても、菌に興味をもつきっかけにはなるとは感じた。全体的に菌やら農大のインパクトが大きすぎて、キャラクターの存在感が弱かったかなと思う。