お大事 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
子供向け?いいえ、大人になりかけ以上の方向けです
可愛い君よ 君を悲しませるつもりはないんだよ
可愛い君よ 君を傷つけるつもりはないんだよ
どんな恋人達も間違う事だってある
君が誰かを愛した時 余計な事なんて考えなくていい
とにかく彼女を愛しよう
いつだって彼女を愛しよう
OP曲のSugar Baby Loveは元は恋人達の歌ですが、英語でいう所のloveはとても広義に渡る言葉であり、サガとシュガーが互いに成長していく中で育んでいく様々な感情をこの原曲に照らし合わせる事が出来ると思います。突然の出会いから色々な事が起こるたび、意図せずに相手を傷つけてしまったり。互いをとても大事に思うからこそ、その喜びを大いにわかちあえたり。
この作品のテーマは多岐に渡り、幾つかの優しい感情を視聴者に投げかけてくれるのですが、一番の主題は友情よりも、やはりサガの成長にあると思います。雪使いシュガーは雪を司る単なる妖精ではなく、人間の営みを見守り、季節と共に様々な幸せを運んできてくれる天使に近い存在。そんな天使が、頑張り屋だけどちょっと悲しい女の子サガに寄り添い、きらめきという名の何かを一緒に見つけながら、少しずつ少しずつ大人になっていく。そんな素晴らしい物語です。
季節使い達は人間の世界で沢山のきらめきを探し出し、魔法の花を咲かせ、修行を終え一人前になるためにわざわざやってきています。最初のうちはみんなそのきらめき探しに躍起で、ちょっと暴走などしつつも人の生活に触れ、疑問を解決したり理解しながら、それを少しずつ見つけていきます。
多くを語るのは野暮なので割愛しますが、そんな季節使いの存在意義たる魔法の花、それが段々と成長し、ついには花開こうという場面で、シュガーは何と言い何するのでしょうか。そしてサガはその時のシュガーを、どんな眼差しで見ているのでしょうか。
サガは季節使いと魔法の花を、当初どう思っていたでしょうか。そしてシュガーが頑張ってきたのは、一体何を成す為だったのでしょうか。本当に本当に素晴らしい。とても象徴的な場面なのですが、私はその時のサガが聖母マリアにすら見えました。放送から10年以上経ったと思いますが、私は未だにここまで純粋な「想いの交差」を他の何物からも見ていません。二人から溢れる涙はとても大きな幸せに満ちていて、そしてとても寂しい。季節使いが去った後も、皆が皆の幸せを願いながら、静かに続いていく街の人々の営み。モニターの前で浄化され泣いてしまっているきったない自分。素晴らしい作品である事は疑いようがありません。
Sugar Baby Loveをどこかで聴く度に、今でも当然のようにこの作品を思い出します。
また雪が降るたびに、大人になったシュガーが白い雪と一緒にきらめきという何かで、街を染め上げようとしているんだな、とも思います。
私の中では随一の作品で、思わず語っちゃいました。