なばてあ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
中興のデルタ
物語シリーズのアニメ上のデザインが、話と画の乖離に極まっているとすれば、そのデザインそのもののメタファとして、メタキャラクタとして存在しているのが斧乃木余接。シンプルに、台詞と身振りのあいだの脈絡のなさが、ドーピングのように効いている。もちろんそれは一時しのぎ。ただ『セカンドシリーズ』と比べても、今作のほうが画の速度は上な気がする。たぶんそれは、『化物語』の画のベクトルから、わずかに、けれども確実にズレ始めたからだと思う。本当にそうなら、これはいいこと。
{netabare}正弦の登場は、うっすら伏線が引かれていたにしても、唐突に思われる。けれども、余接の優しさがスンと沁みてくるし、余弦のセリフもよく彫琢されていてすばらしい。画でいうなら、忍と余接の雪合戦は小気味よいし、心地よい。ラストに正弦とのバトルがないというアンチクライマックスの展開は、画的にも話的にも、理にかなっている。 {/netabare}
衝撃:★★★☆
独創:★★★
洗練:★★★★☆
機微:★★★★
余韻:★★☆