高橋 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観たい
小説も読んでみて
一話で電車が遅れるシーン 自分も遠距離だったので しかも田舎の雪国!携帯も無かった時代なので電車が着くまであんな気持ちでした!
見終わってちょっとモヤモヤ感有りますが 三話の二人がすれ違い遮断機が降りたシーンは もう過去は振り返らず一歩新しい未來へ と感じました
小説も読んで 明里の渡せなかった手紙の内容が最後書いて有りました
ネタバレかな?
貴樹くんへ
お元気ですか?
今日がこんな大雪になるなんて、約束した時には思ってもみませんでしたね。
電車が遅れているようです。
だから私は、貴樹くんを待ってる間にこれを書くことにします。
目の前にストーブがあるので、ここは暖かいです。
そして私のカバンの中にはいつもびんせんが入っているんです。
いつでも手紙が書けるように。
この手紙をあとで貴樹くんに渡そうと思っています。
だからあんまり早く着いちゃったら困るな。
どうか急がないで、ゆっくり来てくださいね。
今日会うのはとても久しぶりですよね。なんと十一ヶ月ぶりです。
だから私は実は、すこし緊張してます。
会ってもお互いに気づかなかったらどうしょう、なんて思っています。
でもここは東京に比べればとても小さな駅だから、
分からないなんてことはありえないんだけど。
でも、学生服を着た貴樹くんもサッカー部に入った貴樹くんも、
どんなにがんばって想像してもそれは知らない人みたいに思えます。
ええと、何を書けばいいいんだろう。
うん、そうだ、まずお礼から。
今までちゃんと伝えられなかった気持ちを書きます。
私が小学四年生で東京に転校していったときに、
貴樹くんがいてくれて本当に良かったと思っています。
友達になれて嬉しかったです。
貴樹くんがいなければ、私にとって学校はもっとずっと
辛い場所になっていたいと思います。
だから私は、貴樹くんと離れて転校なんて、本当に全然したくなかったのです。
貴樹くんと同じ中学校に行って、一緒に大人になりたかったのです。
それは私がずっと願っていたことでした。
今はここの中学にもなんとか慣れましたが(だからあまり心配しないでください)
それでも「貴樹くんがいてくれたらどんなに良かっただろう」と
思うことが、一日に何度もあるんです。
そしてもうすぐ、
貴樹くんはもっとずっと遠くに引っ越してしまうことも、私はとても悲しいです。
今までは東京と栃木に離れてはいても
「でも私にはいざとなれば貴樹くんがいるんだから」ってずっと思っていました。
電車に乗っていけばすぐに会えるんだから、と。
でも今度は九州の向こうだなんて、ちょっと遠すぎます。
私はこれからは、一人でもちゃんとやっていけるようにしなくてはいけません。
そんなことが本当に出来るのか、私にはちょっと自信がないんですけど。
でも、そうしなければならないんです。
私も貴樹くんも。そうですよね?
それから、これだけは言っておかなければなりません。
私が今日言葉で伝えたいと思っていることですが
でも言えなかったときのために、手紙に書いてしまいます。
私は貴樹くんのことが好きです。
いつ好きになったのか、もう覚えていません。
とても自然に、いつの間にか、好きになっていました。
初めて会ったときから、貴樹くんは強くて優しい男の子でした。
私のことを、貴樹くんはいつも守ってくれました。
貴樹くん、あなたはきっと大丈夫。
どんなことがあっても、貴樹くんは絶対に立派で優しい大人になると思います。
貴樹くんがこの先どんなに遠くに行ってしまっても、
私はずっと絶対に好きです。
どうか どうか、それを覚えていてください」
これを渡せていれば貴樹の人生は大きく変わっていたでしょう…