「藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ウルトラ・スーパー・デラックスマン(OVA)」

総合得点
73.2
感想・評価
12
棚に入れた
35
ランキング
1040
★★★★☆ 4.0 (12)
物語
4.3
作画
3.7
声優
4.0
音楽
3.6
キャラ
4.2

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ドラえもんしか知らない子供に見せたらと実験してみたいです。

【概要】

アニメーション制作:スタジオぎゃろっぷ
1990年8月に発売されたOVAアニメ。

『S-Fマガジン』1976年1月号に掲載された、
藤子・F・不二雄先生の読みきり漫画が原作です。
監督は、望月智充。

【概要】

ラーメンの小池さんと同じ容姿の主人公・句楽兼人はアラフォーの独身サラリーマン。
立派な社屋を持つ商社に勤め“待機室長”という見慣れぬ役職に就き、
重役待遇の個室を与えられて日がな何もせずに、一人部屋の中でゴロゴロしていました。

この作品、序盤から不穏な空気が。

社員の誰もが句楽と目線を合わせることなく、顔を観た途端に逃げ出す始末。
それは、句楽の同期社員であり親友の片山も例外ではありませんでした。

そんな句楽が何者であるか、作中で明かされていきます。

【感想】

町の小さな揉め事から政治家の汚職まで世の中に蔓延っている“悪”に、
不平不満を抱いてるものの、非力な小心者故に目の前で悪事が行われていても、
見て見ぬふりをしてしまい、新聞への投書で憂さ晴らしが関の山の小物が、
ある日、無敵のパワーを得、空を飛び地球上のあらゆる攻撃が通じないという、
ドラゴンボールの孫悟空みたいな超人になったら?みたいに皮肉ったSF作品。

歪んだ正義感から来る凶行の数々。
俺が正義なのだから、悪い奴だけでなく、俺に逆らう奴もは皆殺しだ!!
ヒーローに成りたかった男は核ですらダメージを与えられなく政府でも手出しできない、
地球では最強無敵で誰も逆らえない狂人となっていました。

と、児童漫画で知られる藤子・F・不二雄先生のもう一つの顔が見られますね。

ドラえもんと同じ絵柄でグロテスクでサイコパスな展開が繰り広げられるのが、
なんとも言えない味わいになっている漫画作品が原作なのですが、
アニメ化にあたり、改変が目立ちます。

句楽兼人役の龍田直樹さんの演技は大変に素晴らしかったのですが、
視覚的なグロ描写が伏せられてたり、シナリオやキャラが微妙に違っていたり。

原作通りにやって欲しかったなと残念に思うこと多々ありながらも、
子供に見せられないシーンを原作通りにやったりとで、
アニメ化に際しての取捨選択の基準がよくわかりませんね。

原作と変えずにアニメ化してくれたら物語評価は5なのですが、
要らないアレンジだと感じましたので下げざるを得ないです。

それでもアニメからも狂気成分が十分に伝わってきますので、
SF作家として、いつもと違う藤子F作品を観たいという人には、
オススメの逸品でありました。


あまり解説になってませんが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2020/03/22
閲覧 : 487
サンキュー:

32

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