Paoon さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アニメ界のビッグバン
リアルタイムに観ていた者としては、姫ちゃんのリボンとかがやっている辺りの夕方枠で、テレビ東京で何気なく観ていただけなのですが、子どもだった自分には衝撃的展開と伏線の多さと最終回の意味不明さを鮮明に覚えています。
この作品を語るには、歴史的背景が必要だと思います。
当時のアニヲタ(という言葉はなかった?)というのはスレイヤーズとかふしぎ遊戯とかにはまっている人たちで、自分はアニメは夕方に少し観ているだけの一般人で、さほど熱心な視聴者ではなかったと思います。
そんな中、エヴァンゲリオンは一般人の中では特に話題になってはいないが自分は面白いと思ってほとんど全てを観ており、多数ぶち上げた伏線がどうなるのか最終回を楽しみにしていたところの、最終回おめでとうエンドである。
ハッキリいって当時は意味不明で失望していたが、後に劇場版で解決するだろうと観に行ったところの、気持ち悪いエンド(終劇直後にカーテン閉じて劇場の明かりがつく)。失望というより絶望しか感じず考察する気力もなく唖然として、やがてアニメは見なくなりました。(後に見直して今は一つの解釈に辿りついていますが)
そんなエヴァはいつの間にか一般的に人気になり大学生になった頃に普通のイケイケリア充な友人もエヴァの話をしたり、10くらい離れた年下の彼女もエヴァのカヲルくんが好きとか言っていたり、すっかり属するグループも世代も超えた人気アニメとして定着していました。ガチヤンキーだったうちの兄すら知っている有様です。
そして、改めて振り返ると、エヴァンゲリオンは世紀末に誕生したアニメ界のビッグバンであったと思います。というのも、それ以降のアニメ作品の脚本やキャラクターや演出や音楽の数多くにエヴァンゲリオンの匂いを感じさせるものがとてつもなく多いことに、アニメを観れば観るほど感じるからです。今ではテンプレとなっているものばかりです。
しかしです、その元であるエヴァンゲリオン自体は未だに謎多き存在でまるで解明されていません。
きっと庵野監督すらその謎の答えを知らないであろうことに、もう私たちは気づき始めています。
それでもなお惹かれてしまう。そんな偉大な作品なのです。未視聴の方は観て、ぜひ、庵野ふざけんな!という我々リアルタイム世代の気持ちを共有していただきたいものです。