kurosuke40 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
これもそういやアニメの部類なんだな。
一言だけ。
良くできた評論文みたいというのが一番の印象でした。
最終的に言いたいことは
「現代は文面上は平等で自由な社会となっているけど、
いかに私たちは偏見を持っているか。差別しているか」
で、それを肉食動物と草食動物の括りを用いて、寓話で示している。
ザ・ハリウッド脚本術って感じで、この意見を言うには
この場面が必要という連続でできていて、
妙に無駄がない(必然ではないならリアリティは追及しないとことか)のがいかにも理路整然とした評論文っぽく感じます。
ただ個人的にはちょっと物足りないかな。
話そのものよりも形式の問題で、寓話の限界を感じました。
「偏見は持っている」ということは同意するけど、
私は自身が「どんな偏見を持っているか」を知りたいが、
そこは言及されてない、できないので。
寓話という人間を使わないからこそ、
人間全体に当てはまる傾向の指摘はできるけど、
個人やある手段の具体的なところの言及にはならないんだな、と感じました。
人じゃないからね。
逆にいえば誰にも具体的に直接指摘しないから不愉快に思う人が少ないという商業的メリットがあるのかな、なんて。穿りすぎか。
まぁ、具体的なところは、自分で考えるのは宿題ですね。
ご精読ありがとうございました。