めいろ* さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
だったらアイツを困らせるんじゃなくて一緒に笑っていようってね。
キャラクターがとにかく可愛くて、アニメを見始めて、甘ったるくて見てられなくて、すぐに見るのをやめちゃった作品です。
時が経って、ふとしたきっかけで本作のOPを聴いて、懐かしみながら聴き続けて、なんとなく原作漫画に触れて、またアニメに舞い戻ってきました。
なんとなくこう、一般に見て分からない能力が蔓延する作品ってドロドロしがちじゃないですか。
そういった経緯で視聴をやめたわけですが、そういう作品の大半が結局は面白かったりします。
キスがメインという偏見は正直あったけど、それがツールだと認識してからはすごい楽しかったです。
本来、僕は恋愛系の作品がとても苦手な傾向にある人間です。
既婚者が何を言うかと思われるかもしれませんが、お互いの想いがこう、小さなきっかけですれ違ったり、思い違いが生じたり、何だかくっついたり離れたりと言う推移がどうにももどかしくて、やるせなくて。
そんなのが苦手な人間である僕ですが、本作品もその経緯に割と沿っていたにも関わらず、すんなりと入ってきました。
相手の手の内を探りながら物語が進行していく感じは、ラブコメというよりミステリー感覚でしたが、節目節目にあるドキっとするキャラクターの可愛さがやはり一番印象に残りますね。
最後に、題名に回帰します。
「だったらアイツを困らせるんじゃなくて、一緒に笑っていようってね。」
これはメインヒロインの白石うららが言う台詞では無く、言わばサブヒロインという立ち位置にいる小田切寧々の台詞です。
何と無く僕がこの作品をすんなり受け入れられた理由があるとするならば、メインストリームを尊重した作品の構成がそれの理由だったんだと思います。
人間が持つ強い想いって、自然と強引になりがちと言いますか、恋は盲目って言語はまさにそれを表していて、周囲にどんな影響があって、どう思われてしまうかっていう整理が出来ないぐらい、理性が抑えられないものだと思うのです。
それが本来の恋愛モノと言われる作品で、だからこそリアリティのある作品に仕上がるわけですが、本作品のようにもし、それが理性的に抑えられて、客観的に、冷静に判断できてしまった場合でも、それはもしかしたら人間性を鑑みるのであれば現実的ではないのだけれど、なんて美しいじゃないですか。
綺麗事って、現代では吐き捨てられがちですけれど、あくまでそれがあるから現代の指標があるんだと思います。
こうあるべき姿を綺麗事と揶揄してしまうのであれば、そんな世界に対立してやろうと思わず感じてしまう本作品。色々な感じ方ができて、面白かったです。