北山アキ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
天才サッカー少年
原作未読
最後まで観て
まず、サッカーやバスケなどの団体がコートを共有する(二分しない)競技のアニメで、
「試合描写が…」と言ってもしょうがない。
そこは諦めてください。
これは実写ドラマでも無理な要求だ。
頑張っても「少林サッカー」の演出違いの域は越えられないと思う。
(ドキュメンタリーは別。「フープ・ドリームス」とかは本物だから)
見所は、{netabare}前向きな気持ちが響き合って、良い意味で感化し合ってゆく過程とか、
状況をキャラなりの言葉で咀嚼して、理解して、バネにして、高みを目指す訓話性なわけで、
説教臭いポエムと言われようが、それに説得力があれば、面白いということになるのだ。
僕は素直に感動したし、面白かった。
それと、つくしは最後まで素人扱いされてるけど、
1年生の中ではどう見ても風間と並んで才能が抜きんでている。
日本語でどう訳すのか分からんけど英語のスポーツ記事ではよく使われる
intangibleという才能に関しては風間より上という描かれ方だ。
蛇足だけど、身体能力にはいろいろあって、一言で済ますのは間違い。
NBA観てると以下の能力は別々に評価されている(訳は雰囲気ですが)。
athletic(全般的な運動能力の高さ)
physical(当たり負けしない身体の強さ、ゴリゴリ行ける強さ)
agility(敏捷さ、俊敏さ、ハンドスピード、反応の早さ)
lateral quickness(水平横移動の足の速さ)
leaping ability(ジャンプ力)※「高く跳ぶ」と「長く跳ぶ」がある
coordination(ボディ・バランスの良さとかも含む)
gravity(下半身の強さ、押され負けしない重心の低さ、足が短いw)
バスケだと身体的特徴としては以下の要素もある。
腕の長さ(背が低くても腕が長ければいいし、逆は良くないし)
掌の大きさ(ボールキープに必要)
指の柔らかさ(パスのキャッチ、ハンドリング、シュート・タッチ)
サッカーでも足首の柔らかさとかたぶん必要でしょう。
他にはIQとか直感力とか、耐久性やintangibleもあり、
結局、つくしもいろいろ兼ね備えていると考えた方が納得して観られる。
(以下、1クール目時点での感想)
悪い奴が幅を利かせないカラッとしたやさしい世界系スポ根。
素直に感動出来て面白い。
競技的にはとんでもにはなっていない。
ただし、これは主人公が天才だという前提があるからだろう。
サッカーはよく知らないので、バスケ的に言えば、
ピック、ロール、ポップ、カット等のオフボールの動きは
どれをとっても各選手のポジショニングとタイミングが重要だ。
(サッカーはより広く、より2D的だが、空間をいかに支配するかというチームスポーツなのは共通)
つまり、がむしゃらに走り回れば何とかなるものではない。
走ってるだけに見えて無意識に味方有利な展開に持っていける主人公は、
天才的に空間認識力が高い、サッカーIQが高いということになる。
今のところカオスを作り出す能力程度に描かれているが、
これから技術を身に着けて、天才が開花するんだろうなと思う。
(カオスは攻守のどちらに有利とは言えず、組織力よりも個人技が生きやすくなる局面なので、公式戦ではスポーツ推薦揃い聖蹟有利に働いたと解釈しておこう。なお、コートが狭く、攻撃時間に制限があるバスケの方が展開が早くなるので、個人の身体能力に由来するカオスを作りやすい。サッカーでカオスを作る方が難しいと思う){/netabare}