しむごん さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ファンタジーとしての必要要素。芸術作品としての見方はどうでしょう?
原作も知らず、どういった話かも知らない中で作品を通して鑑賞したので評価します。
タイトルにある「灰と幻想」に着目し、ファンタジーものなのだろうということは分かりました。
…途中で止めそうだな…と思ってたらなんとそのまま最後まで観終わってしまいました。
何故最後まで観ることが出来たか…ファンタジーとしての必要要素を満たしていたからなのかもしれません。
ひとつは、幻想的な世界を作り出すために必要不可欠な「色」。
とても綺麗な世界を、水彩タッチで表現されており、例えばそれは風が吹いたら揺れる木々でもないし、流れる小川を動かして表現しているわけではないです。
その色彩ひとつひとつを丁寧に、大胆に色づけされているのがとても印象的です。
作中に「命のやり取り」という言葉が幾度出てきます。
この命のやり取りと、広がる幻想的な色合いの世界のミスマッチも見所かと思います。
そしてもうひとつは、良くもあり悪くもある、「劇中歌」。
要所要所にて、色々なジャンルの音楽が流れます。私はとても綺麗な曲だな、声もあってるな、なんて考えながら聞いてましたが、人によってはこれによってテンポが乱れてしまっているなんて考える人もいるかも…。
ただ正直な話をすれば、ストーリーとしては物足りないです。ワンクールとして足りないだけなのかとも思いますが。
でもそれを補って余りある世界観の表現力には脱帽です。芸術作品として、一見の価値ありと言うのは言い過ぎですかね?