こた さんの感想・評価

5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

こんな作品に出会えるならこれからもアニメを観たい

アニメ制作のシビアさ。
スタッフの方々が完成までにどれだけの労力を積み上げてきたか…
どれだけの思いを込めたか…
そんな途方もない努力の上に出来上がった作品も、私たちはその表面上の部分しか分かり得ない。当然、評価を得られなければご無沙汰される始末。

リテイクを何度となくされたとか、もしかして企画そのものが倒れていたかもしれないとか、そこに至るまでどんな人たちが関わってきたとか知る由もなくアニメを観て、受け取れた感動やモヤっとした気持ちを2chやTwitterで発言していたり、中にはそっと胸にしまい込んでおく人もいるかもだけれど。よくよく考えるとなんだか複雑な気持ちになる。

でも、知らないよりは、知ったほうがいいかなって。
知らなくていいかもしれないけど、知ってほしいなって。
SHIROBAKOの世界を。一つの作品の裏側にある色々な人たちの葛藤だったり、その現場でしか見られない景色だったり。

1クール。24分×13。レンタルして、半日あれば観終わってしまう。
物理的に得られるもので考えたら、アニメ作りに現場で携わる方々は誰しも頑張りに見合った対価なんて受け取ってないと思う。
だからこそ日々葛藤の繰り返しだっていうアニメーターがたくさんいると思う。(クールジャパンって政策で推し進めるのなら、こういうところにこそ目を向けてほしい)

少なからず、自分は対価や周りからの表面的な評価だけで物事を考える人生っていうのは退屈なものだと感じたかな。

ここでレビューを書いている人は自分なりの感想だったり考察だったりを伝えるのが上手な人ばかりだと思う。でもたとえ言葉にしていなくても、その作品に対する一人一人の思い入れが大事なんじゃないかとも思った。
ネット上に書き込まれた感想とか円盤の売り上げとかが表面的な評価で、すぐに目に留まってしまうから、世間はそれで作品の良し悪しを判断してしまうけれど。この作品を観て、それはなんか違うと思った。

この作品のようなスタッフに囲まれて、情熱かけて命を燃やして手間暇かけられた作品に向き合えるって素晴らしいを通り越して財産だと思う。世の中にはこんな作品がいくつあるのかな…。生きている間にいくつ観られるかな…。
でも、何かを生み出すなんてことはできない、大したとりえもない自分に少なからず感動を与えてくれた作品全てにありがとうって言いたくもなった。

話はだいぶそれてしまったが、最終回を観終えた後に残るのは圧倒的な満足感でした。ダレも捨て回もなくみっちり詰まった2クールで逆に喪失感すら覚えてしまうくらい(;'∀')最高のアニメでした。どーんといこう！