蒼い✨️ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
映画だろうとガルパンはガルパン。
アニメーション制作:アクタス
2015年11月に公開された劇場版作品。
【概要】
日本女子の嗜みとして、戦車道(最新技術で乗員の安全を確保したうえでの、旧式の戦車を用いた模擬戦)
が行われているという世界観。
主人公の西住みほが所属する大洗女子学園は、
廃校回避の条件として突き付けられた、戦車道全国高校生大会の優勝を成し遂げ、
優勝記念エキシビジョンマッチで他校との交流を深めるなど楽しいひと時を迎えていました。
しかし、彼女たちを待っていたのは8月31日付で廃校通告。そして、学園の閉鎖。
守られなかった文部科学省との約束。動揺する女生徒たち。
彼女たちの行く末は?そして、新たなる戦いが始まります。
【感想】
おおよそ、ガルパンというアニメではストーリーとは戦車で試合を行うための方便。
女子校生がチーム作って戦術を駆使してトーナメントで勝ち上がっていく話だけなら、
サバゲーをやっていれば足りますもの。
エアガンで無くて実物の戦車を使って迫力のある3D戦闘を見せたい。
やりたいことがはっきりとしているアニメであって、劇場版ではパワーアップしています。
TV版で学園存続の条件として1回も負けられない状況のトーナメントを優勝してエンディングを迎えたのに、
劇場版用に戦いで負けられない理由を新たに作らないといけなくなりまして、
その理由がとんでもなく無理矢理で酷いですよね。
今までの戦いの結実を舌先三寸で反故にされるとか、TV版のシナリオに泥をかけるがごとく。
学校存続を賭けて、大洗女子は大学選抜チームと戦うことになるのですが、
トランプでも麻雀でもお金を賭けないと盛り上がらないのと一緒で、
楽しいだけの生ぬるい戦車道なんて、需要が低いのでしょうけどね。
映画の序盤で行われた優勝記念エキシビジョンマッチが、そうなのですが。
大洗女子学園と知波単学園 vs 聖グロリアーナ女学院とプラウダ高校
という、どう見てもチーム力の差に偏りを感じられる編成に疑問を感じたこと。
そしてゴルフ場での戦車戦。戦車の履帯で芝が散々に踏み荒らされてるのですが、
ゴルフ場の維持管理は手間暇と時間とコストがかかってることもあり、
国が賠償金を支払えば済む問題ではなく、
戦車戦の舞台にゴルフ場を提供する支配人なんて現実的に考えたら、いないのではないか?
大洗ゴルフ倶楽部としては宣伝になったのでしょうが、
ゴルフの仕事に関わってる人間があれを観て機嫌を損ねても仕方がないような?
聖地巡礼とか称して私有地である大洗ゴルフ倶楽部に許可無く立ち入らないよう注意喚起がありましたし、
フィクションとはいえ、モヤモヤするものがありましたね。
といったことから、あれ?もしかして微妙なアニメ映画なのではないか?という疑問がw
巨大過ぎる学園艦の設定もガバガバ。
冷静に考えれば戦車道で動く予算の額も尋常でなく対費用効果も疑問。
設定とかストーリーは本当に舞台装置にすぎなく、
ノリと勢いとアクションを楽しむガバガバアニメなのがガルパンなのは、
わかりきってたことなのですけどねw
細かいことを気にしちゃ負けみたいな?
さて、この映画のメインディッシュは、
かつて大会で争ったライバルたちが主人公たちの危地にかけつけてともに戦うという熱い展開。
高校オールスターズ夢の共演 vs 大学選抜チーム
お馴染みのキャラたち一人一人に見せ場があってガルパンファン向けには十分な内容だったですね。
しかし、大学選抜チームがイマイチかな?
大学選抜チームが組織力や作戦で高校生たちに優っているわけでもなく、
劇場版新キャラで大学選抜チームの総大将、飛び級13歳の天才少女の島田愛里寿が無双してるだけじゃないのw
アイシールド21にも通じる、対戦相手は圧倒的エースとその他みたいな構図になってて残念と言えば残念。
戦略と戦術の探り合いと応酬が観たかったですかも?
でも…そうすると地味になってしまいがちですので、エンタメとして今のような構成になってしまったのでしょうか?
やっぱり、ガルパンとは細かいことは気にせず、
音と絵と迫力をイケイケの精神で楽しむショービジネス的な作品であることを、
この映画を観て再認識しましたね。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。