oneandonly さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ハッピーエンドとホラーが同時に描かれる作品
世界観:4
ストーリー:7
リアリティ:5
キャラクター:6
情感:6
合計:28
二角奇人(ディクロニウス)は、人間の突然変異体………頭から生えた角を持ち、第6感とも言える特殊な能力と手を持っていた。人類を淘汰する可能性をも秘めた彼らミュータントたちは、その危険な能力のため、国家施設に隔離、研究されていた。
(公式サイトより)
エログロが強いということくらいは知っていたので敬遠していましたが、アニメを語るには視聴しておくべき作品と思い、選択しました。
1話の開始1分(OP)から乳首全開、人の首がスパスパ切れて血がビシャーっと…、エログロはやはり過酷でした。キャラデザも苦手で、親のいない家に女の子がたくさん同居するというギャルゲー的展開(最近、視聴している作品に多いですが、自分はこれがとても苦手です)に、最後まで到達できるかと思いましたが、シリアスな物語に牽引され、予想以上にスムーズに見終えることができました。
まず、ディクロニウスという生命体の特殊能力について。ベクターという透明の腕がありますが、首を刎ねたり足を捥いだりしているので、相当な腕力や速度が出せそうです。銃で撃たれても問題ない装甲(シーンによっては弾を宙に止めています)なので、落下や打撃くらいでダメージを受けるようには思えないですね。
調べてみると、ルーシー以外のディクロニウスはベクターウイルスが人間に伝染ったもので、生殖機能がない設定であるとか。{netabare}研究所の黒幕やその息子に角が生えていましたが、伝染すると角が盛り上がってくるのでしょうか。そうすると、クラマは角がないのになぜ子供がディクロニウスになってしまったのか。{/netabare}
ベクターを使ってジャンプや着地をするシーンがありますが、普段でもこれを使えばもっと移動が楽になりそうです。座りながらでも2m以上も活動範囲が広がるのですから、2mの高低差でもすいすい進めますし、他の行動も変わってくると思います(そこは、ベクターを使うのも疲れるとかあるのでしょうか。でも墓石とかほいほい投げているからなぁ)。私だったら机に座りながら冷蔵庫からお茶出したりしたいです。壁や頭を透過するシーンもあったことを考えると、更に使い道が広がりそうです。
と、いつものようにツッコミを色々入れながら見てしまうのですが、{netabare}主人公のコウタが自分の父親と妹を殺した相手のことを忘れていたというのが自分には一番受け入れられなかったですね。もちろん、逆にショックが大きすぎて瞬間的な記憶を失ったという理屈は考えられなくはないですが、角が生えている女の子に帽子をあげてデートをした記憶までもなくなってしまうでしょうか。{/netabare}
ディクロニウスのような存在、管理するのは無理じゃないですかね。{netabare}育ての親でも簡単に殺害しますし。2m近寄らなければとか、物投げられれば意味ないですし。ベクターといい、何か寄生獣を思い出します。そういう、人類の天敵になりうる存在との共存(と、人間の研究・管理欲)がひとつのテーマなのかもしれませんね。ルーシーが亡くなったのであれば、問題ないのかもしれませんが、最後の影がルーシーのようにも見えます。(コウタにとっての)ハッピーエンドとホラーの可能性を同時に描いて見せたのはシュールですね。{/netabare}
エログロの苦手な私も最後まで見られたので慣れれば何とかなりますが、展開にも重さがあるので、視聴するなら心してかかってください。必ず見なければならない作品ではないと思います。むしろ、見るとこのエロに慣れてしまいそうで怖いです。
(参考評価推移:3話3.4→9話3.6→12話3.4→13話3.5)
(2016.8視聴)