鸐 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
家を離れて100里、そこで学んだこと
映画館で視聴。
原作は児童文学(未読)
制作はポケモン・妖怪ウォッチを制作したOLMのフルCG作品です。
見どころは何といってもCG技術
考えれば、沢山の動物をモチーフにしたキャラが活躍するアニメの中で、原型に近い動きをするアニメ作品は最近無かったように思います。
観終えた後、この作品は児童文学を借りた、映像の躍進を求めるための実験的な作品だったのだと思いました。そう思うだけの技術がこの作品にはありました。
モデルはそこまで猫に近い形をしている訳ではありませんが、動きは猫らしい動きを保ち、アニメ―ションの魅力でもある大胆さを加えて、かなり生物として活き活きとした動きになっていると思います。
特に猫と犬の格闘シーンは迫力があって素晴らしかったです。
一般のCGに対する抵抗感の代表、動きに続いての質感。
これは一部怪しいところもありましたが全てCGと言うことで、統一されて全体的違和感は感じにくくなっていると思います。
続いて物語
物語は正直そそられるものではありませんでした。
あらすじはあにこれにもありますが、飼い主とはぐれた猫が飼い主の所に戻るという王道なストーリーです。妖怪ウォッチやポケモンでも似た様な話はありますね。
しかもその場合、感動的なストーリーとして語られる事が多いと思います。
ところがこの作品はどうも感動が薄い。なぜそう感じたのかについて考えてみました。
①ジバニャンとルドルフの共通点を考えてみた。
・どちらもある日、飼い主と遠く離れた場所に移されてしまう。
ジバニャンはトラックに轢かれ無念の想いから地縛霊となる。
一方、ルドルフはトラックに乗って東京まで行ってしまう。
・保護された下で沢山のことを学ぶ。
ケータくんに拾われたジバニャンは沢山の経験をし、主人公であるケータくんの仲間になっていった。
一方ルドルフは、イッパイアッテナと出会い読み書き、ノラとしての生き方を学ぶ。目的は飼い主の元へ帰るために!
ジバニャンも当初はトラックに勝って飼い主に認められるという目的を持っていたが、最近は忘れている様子。ここは大きく異なる部分ですね。
・飼い主と再開するが…
タイムリープによって飼い主と再会したジバニャンであったが、そこで本来死ぬはずだったのは飼い主の方だったことが判明する。生か死の選択肢を与えられたジバニャンだが、結局は死を選び飼い主を守ることを選んだのだった。
一方、家に帰れたルドルフだがそこで待っていたのは、新しく家族となったルドルフ。完全に居場所を奪われてしまったルドルフは泣く泣く仲間のところへ戻るのだった。
なぜこんなにも差がついてしまったのでしょうか。
ルドルフの場合、単発なのと、家に帰るという目的をなくしていないために、飼い主側か仲間かどっちに転んでも物語が簡単に成り立ってしまいます。人気キャラが離脱するのと違い緊張感が生まれないというのが、最大の弱点になっているように思いますね。
現実は甘くないということがこのアニメから読み取れましたが、アニメだし!もっとファンタジーであっても良かったのにと思いました。
キャラの評価
イッパイアッテナの凄さを強調するためなんでしょうが、ルドルフとブッチはもう少し賢くてもいいと思います。
ルドルフが何も知らない子供ということは分かっています。だから大目にみてもいいじゃないとも思いますが…うーん…
子供でももう少し賢いと思うんですけどね…
おそらく小中学生の頃に見ていたら、何もしてないのに怒られているようで気分が悪いんだろうなとは思いました。
良くも悪くとも、教育的な印象が強く出てしまっているんですよね。
大人が観ればそうでもないんでしょうけれど、好みですかね。
まとめ
映像は素晴らしいですが、物語は好みが分かれると思いました。
フルCG&動物ものの家族を探して系は、近々でファイディングドリーとかぶっているように思うのですが、あえて当ててきたのかな?
活き活きとした動きは負けてなかったと思いますよ!