古川憂 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
無難にまとまった佳作
『CLANNAD』『AIR』などで知られるゲームブランド、Keyから発売された同名の原作のアニメーション化作品。メインライターである麻枝准の手になる作品ではないため、やや他のKey作品とは毛色が異なっていることもあり、本作をkey最高傑作とするファンも少なからずいる。
麻枝准の作品はと言えば、何かと家族や友人などの人間関係、そしてヒロインの死がメインテーマに描かれ、その要素は本作も共通する部分がある。しかし前者が濃密な繋がりと離別を描くのに対し、本作における屑屋とほしのゆめみの関係はどこか乾いた関係で――それこそ、人間とロボットという設定からして――、愛した者との死別、というような麻枝の打ち出すテーマ性とは少し趣向を異にする。
荒廃した世界という設定の中に描かれる二者の関係はどこか客観的なスタンスを取っており、だからこそ主観的に描かれる麻枝の作品群とはファン層がずれてくるのかもしれない。
どちらにせよ無難にまとまっており、五話という短さからも気軽に観れる良作ではある。個人的にはもう少し奥深くまで抉ってくるような場面があれば、といった感はぬぐえないが、一見の価値はあり。