uQWqs72443 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
シリアス展開は必要
この作品に対する評価として後半の展開はいらなかった、とか、イカさえいなければ・・・という感想をよく聞きます。
確かに私もなぜイカ?と思いましたがまあコメディの一環だと考えれば合点は行きます。
それから後半のシリアス展開はいらないという意見ですが、これは絶対にいると自分は思っています。
理由を話す前にいくつかお膳立てをしておきたいと思います。
まず第六話で恋之助が付き合っていた女性、もしくは妻がいたという描写があります。
これを踏まえて第十話の銭湯のおばあさんが言ったことを総合すると、恋之助は何らかの事情によってその女性と一緒にいることを諦めてしまったようです。
次に第二話で恋之助が探偵キックなるものでイカを倒したことを思い出してください。
それから第七話で父との差を周囲に比べられ、その葛藤に悩む恋太郎のモラトリアム的描写がありました。
さあここからが本題です。
最終話で恋太郎は探偵キックでニコタマを襲ったイカよりも何十倍も馬鹿でかいイカを蹴り倒しました。
さらに彼は沙羅と双樹と一緒にいることを諦めなかった、これらから導き出される結論は恋太郎は父、恋之助を越えたということです。
これを裏付けるかのように最終話で恋之助と恋太郎が握手を交わすシーンがあります。
これは恋之助が恋太郎を一人前の男と認めて全てを託した、ということの暗喩ではないでしょうか。
つまり、このアニメはラブコメの皮を被った主人公の成長物語なのである。
結論、この作品にシリアス展開は必要。