oneandonly さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
粗さの目立つシリアス恋愛系
世界観:4
ストーリー:6
リアリティ:3
キャラクター:6
情感:5
合計:24
造り酒屋のひとり息子である仲上眞一郎。絵本作家に憧れる彼は、ある夜、天使の絵を描いていた。絵を描くことに没頭する彼の脳裏には、いつしか天使の鮮明なイメージが浮かぶ。その天使はふわりとした巻き毛の、あどけない少女だった。
翌日、学校の裏庭を通り抜けようとした眞一郎は、樹上から鼻歌が聞こえてくることに気づいた。顔を上げると、そこには赤い実を取っている少女がいた。彼女は、昨晩眞一郎がイメージした天使にそっくりだった…。
(公式サイトより)
友人の紹介と、以前、シーズン1位だった記憶があり、先入観を入れずに一気見しました。
全体的な印象としては、粗さの目立つシリアス恋愛系でしょうか。P.A.worksの制作で、作画は全体的に悪くないですが、キャラデザは自分の好みからすこしズレます。恋愛系の作品は少し苦手意識があるので、恋愛系が好きな方とは評価が異なる部分が多々あるのではないかということは付記しておきますが、これはという感動シーン・記憶に残る音楽もなく(アブラムシの歌だけ残りますが(苦笑))、2008年の作品と知り、2010年を越えていないことに納得するところがありました。
見所は、恋愛がドロドロするあたりでしょう。特に、主人公と比呂美の関係が知らされる中盤は見ごたえがありました。しかし、物語が面白くなったり、キャラクターの掘り下げが進むと同時に、リアリティのマイナスが追加されていき、総合評価は凡作の域から動かなかったですね。あにこれ評価は高めですが、私はおすすめしません。
私が気になった箇所を備忘として残しておきます。(辛口です。この作品を愛している方は不快に感じるかもしれませんので、閲覧しないことをおすすめします)
{netabare}
・愛子の今川焼の店は愛子しかいないが、親はなぜいないのか。
・乃絵が眞一郎のベルトを奪っていたが、なぜ取れたのか。ベルトを取るシーンを使う意味が不明。
・乃絵がにわとり(ジベタ)を抱えているシーンがあるが、汚れや臭いが気になる。その後、眞一郎にも抱きついている…。
・石で告白させた時に、石が2つないといって手袋で代用するシーン、なぜそうする必要があったのか不明(あれだけ石があって、なぜ2つくらい見つけられないのかと、余計なことを考えてしまう)。
・指からちょっと血が出るシーンで、血が水のように流れすぎる。
・雪の中でバイクを走らすシーン。あのようなスピードを出せばもっとすぐに転倒すると思う(今時はチェーン以外にも良い対処法があるのかもしれんが、そういう音も描写もないので)。
・比呂美が兄弟というのがこの物語を深くしていたのだが、それがあっさり嘘とか。嘘でそんなことを言う母親は異常(こいつの発言がなければこんなドロドロな関係にならなかったと思うのだが、元凶の理由がつかめないのは物語全体に響いている)。写真の顔を切り取っていたのは何だったのか。
・比呂美が家を出る時に、追いかけてきた眞一郎に駆け寄る時の涙のこぼれ方が不自然。眞一郎も、母親が比呂美に辛く当たっていたのを知っているなら、家を出ることは前向きに考えてよいと思うが(そんなに離れていない所らしいし)。
・眞一郎は10話で「全部ちゃんとする」と言いながら、なかなか対応しない。乃絵のことは自分から告白したのに、ラブラブな期間もほぼなく、真実がわかれば用済みとばかりに話の中心から外れていく。主人公が不誠実だからと言って非難するのも違うが、乃絵が不憫すぎる。
・所々使われる静止画が浮いている。
・結局、アブラムシの歌は何を言いたかったのか。最後、泣かせようとするシーンで使っていたけれど、この歌では泣けない(字幕ではゴキブリになっちゃってるし…)。だんごのほうがまだ良い。
・愛子と三代吉の関係修復が速すぎる。三代吉がイイ奴過ぎるのだが、都合良くよりを戻そうとする愛子に対し、一悶着あって当然だと思うし、そうなってこそ人間関係も次の段階に入れると思う。
{/netabare}
(参考評価推移:3~13話3.1)
(2016.8視聴)