明日は明日の風 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
どの分野にも属しない、孤高の名作
第1話を見たときの感想を正直に書くと「古臭い」でした。
なにが古臭さを感じたのか。「四畳半」という言葉だったり、独特の映像だったりです。まるで1960年代後半から70年代前半のサイケ、アングラのような感じを受けたのです。狙って作ったとしか言いようがありません。
自分の世代にとって、サイケやアングラはおっさん世代の古いものという、漠然とした感覚でいたわけです。そこへ来てこの作品ですから、古臭いと感じても仕方ないことだと思います。違和感を持ちつつ見ていくうちに、あっという間に引き込まれて完走です。よくできたアニメだと思います。
ループものとも違うし、やり直しとも違う、進めるところもあれば、巻き戻すところもあるし、結局なにがなんだか理解できないうちに終盤に突入。主人公の人生が結局は落ち着くとことに落ち着いていく感じで終わります。
登場人物の少なさのおかげで、感情移入がしやすいです。「私」の気持ちを考えながら見ていくと、いかに小津や師匠が変人か気づかされます。そして、明石さんを何とかしろよとも。{netabare} 最後の閉じ込められた話はかなりイラつきましたが、「私」の心を表す表現として有効のように感じました。吹っ切ったあとの展開は実に爽快でした。 {/netabare}
ところどこと…というか、毎回笑えるシーンが差し込んでおり、センスのよさも感じます。占いばあさんとの会話、香織さんとの葛藤、大笑いさせてもらいました。
メディア芸術祭大賞受賞作品の名作でもあります。ちょっと変わったものが見たいなという人にお勧めです。