ノリノリメガネ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ピアノ×青春
久しぶりに素晴らしいアニメを観させてもらいました。
これが監督デビュー作とは、イシグロキョウヘイ監督には脱帽だし、今後の監督作品にも期待大ですね。
{netabare}
何が良いってキャラが良い。渡は大人でかっこいいし、椿ちゃんは乙女でかわいい。かをりちゃんはポジティブ健気。柏木さん、なぎちゃん、絵美ちゃん、相座くん、みんな素敵だった。
何より一人ひとりの感情を丁寧に表現しているので、こちらも感情移入しやすくなっていたのが良かった。
ただし、主人公の公正はあまり好きになれなかった。観ていて腹が立った。何度もふさぎ込んで、そのたびに周りに救われて、最後には死にゆく病人にさえ気を使われてて、主人公としてどうなのって思った。椿ちゃんやかをりちゃんは公正の何が良いんだろうね。渡のほうが断然かっこいいのに。
自分が公正みたいなやつに会ったら、こんな根性なしのネガティブ野郎なんてほっとけってなるし、そんなに音楽辞めたいならとっとと辞めちまえってなると思う。
もっと主人公らしくみんなを引っ張るような演出があっても良かったかな。とにかく最初から最後までみんなに支えられるばかりの主人公で魅力に欠けていた。
まー、不満という不満はこの程度で、他はほとんど完璧と言っていい。
演奏シーンの演出や作画は素晴らしかった。セリフは全体的にちょっとくさい。
好きなシーンは絵美ちゃんの演奏と公正が母の亡霊を倒すところが特に良かった。
脚本も概ね良かった。しかしかをりちゃんが死んじゃうのには驚いた。日本ではフランダースの犬に代表されるような悲しい話が称賛される風土があるから仕方ないのかもしれないが、かをりちゃんには元気になって欲しかったな。
「四月は君の嘘」ってタイトルは、つまり色の無い人生だけど、君と出会ってまるで春のように色づいて見えるよって感じなのかね?良いんだけど、中学生にしてはみんなませ過ぎだよね(「耳をすませば」とかもそうだけど)。中学生、特に男子なんてみんなジャガイモみたいだったじゃないですか。
もっとハッピーな終わり方ならさらに評価を上げてましたが、まぎれもない傑作でした。
{/netabare}