天啓 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
こんな世の中だからこそ
賛否両論の本作ですね
なんらかのトラウマ的な過去をもつ 男女7人の高校生
ある日 突然 謎の組織に拉致され 無理やりキズナシステムの手術を受けさせられる
見た目はキの字をした傷
この7人 誰かが痛いと感じたとき その痛みを分け合うことになる
ここまではかなり理不尽な展開
そして主人公 勝平 痛みを感じない そのため感情も希薄
前半この主人公に魅力を感じた人は少ないだろう
物語も終盤に入ると何故 勝平がそんな性格になったのかも明かされる
キズナシステムにより 痛みを共有した彼らは それぞれが勝手な行動をとらない様
複数人づつ共同生活を始める
そして芽生える仲間意識→ 恋愛感情 →友情 と発展して行く
この作品の優れているところは 体の痛みだけでなく 心の痛みの共有まで
言及しているところ
ただ単にキズナシステムで繋がった仲から お互いを仲間として認識し
友情へ昇華させたことにより
体の痛みの共有から心の痛みの共有へ発展させている
最終的には キズナシステムなしでも 人はみんな友情、愛情によって 他者を傷つけない存在になれる
ということが描かれている
相手の痛みを理解できれば 他人に暴力振るったりしなくなる
いじめとかの問題も ましてや殺人なんか絶対に起きない
作者のそんなメッセージを感じられた作品でした
相手の痛みを判る人になりなさい
今の教育はどうかしらないが 結構年配の世代の教育では 家庭、学校問わず
良く言われていた
本作に否定的な人は
無理やり 痛みを共有させられるキズナシステムに嫌悪感を感じたのと
システムが無くても 友情そのものがキズナシステムなんだ というメッセージが当たり前過ぎて感じたのでしょう
しかしこの社会 その当たり前なことが本当に当たり前に機能しているんでしょうか?
学校でのイジメ問題 川崎でのリンチ殺人
相模原での大量殺人 などなど 毎日の様に 凄惨な事件がマスメディアを
騒がしています。
その当たり前なことが判っていないからこそ そんな事件が起きるのですよ
そんな現代に改めて 他人の痛みを知る大切さを説いた 素晴らしい作品だったと思います。