sham さんの感想・評価

3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

なんか消化不良

ざっくりカテゴライズするとゾンビもの、スチームパンク。

特に何の説明もなくカバネと人間たちの攻防が繰り広げられるので、
はじめは設定や用語、世界観を理解するのに苦労した。

ん？なんだあのお椀型自決装置は？つらら技術？（空耳）
そもそもなぜこんなことになってんの？とか…

実際、脚本、設定がざっくりでガバガバなので、
わけのわからない設定やつじつまの合わないことが山ほどで、
謎のままに終わる事柄が多いのだが。

それに加えて、１クールのみなので、なんとも消化不良感が否めずに終わる。

一方で、むしろ１クールながらよくそれなりの着地点でまとめたなとも思う。最終回はなかなか良かったんじゃないか。

作画やアクションの演出的なのはとても迫力がありすばらしいものがあったと思う。
それだけにもっとちゃんと設定が練られていたらよかったのにと思う。


ちなみに、まんま進撃の巨人、むしろ劣化版、だなんて騒がれていたが、
自分は進撃の巨人を見てないので、そこらへんは特になんとも思わず見ることができた。

また、美馬が出てきて面白くなくなった、という意見も多いが、
個人的には、展開やテーマ性という面においてはよかったんじゃないかなぁと思った。

それまでは、ひたすらカバネ出てくる→パニック→死闘→撃退→さらに多数or協力なカバネ出てくる……

てな感じでワンパターンで退屈だったので、
ここにきて美馬というカバネ以上の悪役の存在が出てきたのは展開的には正しかっただろう。
まぁ「おいおい、カバネVS人間の構図台無しじゃんか、カバネもはやただの駒というか空気ｗｗｗ」ってなるのはごもっともだが。

また、ただカバネと闘うだけ、っていうだけではなく、
「弱者と生」みたいなところをある種一つのテーマとして描こうとしていた点はよかったかなと思う。

あと一番好きな点は、各キャラが成長するさまかな。

{netabare}
生駒は一度逃げてしまったという負い目から、もう二度と逃げ出さず闘うという意志をもち、最後には美馬が認めるほどの意志力というものを見せつける。

無名もはじめは強いけど、（心は）弱く、兄様に依存しそれを盲目的に自分の意思としていたが、最終的にはその依存から脱却し、自分という存在に向き合う。

逞生も、はじめは臆病で周りに流されるだけだったが、最後には臆することなく身を挺して生駒の身代わりとなる。

菖蒲も、はじめは自分の意見をしっかり言うことのできないただのお嬢さんって感じだったのが、最終的には、自らの意思をもって発言し、しっかりと周りを率いる立派な当主と成長した。

こんな感じで各キャラの成長が描かれていたのは見ていて楽しめた部分だった。
{/netabare}


まとめると、肝心のストーリーや設定がガバガバでもったいないが、
それでも見どころは多々あるので見て損はないかなって言う感じの作品である。