「薄桜鬼 黎明録(TVアニメ動画)」

総合得点
66.4
感想・評価
271
棚に入れた
1623
ランキング
2920
★★★★☆ 3.8 (271)
物語
3.7
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

3期だけど薄桜鬼の前日譚。芹沢鴨の魅力が見所か。

新選組を描いた乙女ゲーム原作の薄桜鬼シリーズの3期に当たりますが、1期より前、新選組立ち上げ初期のお話です。
ヒロイン(主人公)が千鶴ちゃんでなく少年なのが特徴、主に芹沢鴨の魅力が見所でした。
ドラマチックな展開に乏しいのと、主人公・龍之介がシャキっとしないのが難。
…1期2期より地味ですが、見応えはありました。

{netabare}『物語』
行き倒れの少年・井吹龍之介(主人公)は、浪士組局長・芹沢鴨に「生きたいか?」と問われ…
生きる意志を見せる龍之介。その日以来、龍之介は芹沢鴨の小姓としてこき使われながら、彼の生き様や、芹沢と対立する土方ら浪士たちと関わっていく。
…龍之介の立ち位置は1期2期の千鶴ちゃんと似た感じながら、より中立に近藤派と芹沢派の対立や葛藤を描いている。
新選組がまだ浪士組の頃の話、土方らの「誠の武士とは?自分たちはこれから何をすべきなのか」そんな葛藤が見所の一つでした。
一方、近藤派よりも芹沢鴨という男の方が華があり、芹沢の間近にいる龍之介の視点で、暴君だが修羅を生きる芹沢の気迫が伝わりました。

新選組がまだ一介の浪士組に過ぎぬ頃で、市中見回りや小競り合い多く、あまり派手な事件が無くて地味でした。
地味ながら、黎明期の新選組を丁寧に描いたドラマは、まぁまぁ。

龍之介が芹沢と土方たちのドラマの観察役に徹していて、彼本人のドラマが希薄なのも弱いです。
1話の意地張って飢え死ぬか、みっともなく足掻いてでも生き抜くか?の選択をしたのがピーク。
最終話の沖田との経緯は見応えありましたが…既に1話で生き抜くスタンス決まってたので、今更強く成長した感はあまり無い。
中盤、花魁(おいらん)の小鈴ちゃんとラブコメの波動感じさせる展開も、中途半端に終わってて残念。
武士とは違う意味で覚悟を見せた小鈴に対し、龍之介の選択とは…?落ち込んで終わり?え~?
芹沢と浪士組にスポット当てる作風とはいえ、主人公自身のドラマが盛り上がらない。
芹沢が龍之介を気に入る理由は1話で割と説得力感じるので良いのですが、近藤派と親しくなっていくのは、若干違和感あり。
まあ、乙女ゲーのヒロイン(男だけど)に理屈は不要とはいえ…。

…なんだがイマイチな感想ですが、龍之介を舞台装置と割り切って、芹沢鴨という英傑を独自の解釈で描いたのは良かったです。
全般的なクオリティーも高く、十分に佳作の域でしょうか。
終盤、芹沢が自分を討った土方に「それでいい…」と言い残し散るシーンだけは、かなり心打たれました。


『作画』
かなり綺麗です。
でも美少女の千鶴ちゃんに比べ、美少年とはいえ龍之介では…。
乙女ゲーの中では殺陣が激しいのも見所、なんちゃってチャンバラではなく、刺突重視なのが良い。

『声優』
龍之介は大物、関智一さん。関智一さんキャラとしては、ちと勿体ないような。
小鈴の西野陽子さんは脇役多数で本作が初主演、凛とした可憐さ良かったです。
目玉は芹沢鴨の中田譲治さん。気迫とカリスマ全開の渋さ素晴らしい。
芹沢の魅力は中田譲治ボイスが大きいです。

『音楽』
OP「黎鳴 -reimei-」ED「花のあとさき」どちらも良曲。
薄桜鬼シリーズは主題歌趣があって好き。


『キャラ』
主人公として見ると、井吹龍之介は合格点には程遠いんですが、まあ舞台装置なので。

本作は殆ど芹沢鴨の一人舞台でした。
傍若無人の暴君、だが武士としての信念は強固で揺るがぬ。抜群のカリスマ。
あえて悪として振る舞い、近藤土方らの甘さと覚悟の弱さを自覚させたように思える。
殆どデレませんが…良いツンデレかも。
龍之介を気に入っていたのも、思うところがあったのだろう。
不器用過ぎて、視聴者にすら伝わりにくいけれど。

花魁の小鈴ちゃん可愛かったです。立場の弱い花魁、でも芹沢にも一歩も引かぬ。譲れぬ誇りがある。
凛と咲く花のような美少女でした。
…男性視聴者的に、彼女しか萌え所がない。{/netabare}

投稿 : 2016/07/26
閲覧 : 520
サンキュー:

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