どらむろ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
リアル側でゲームをやりつつラブコメするお話。ラノベのライトな作風で親しみ易かったです。
ライトノベル原作の学園ラブコメ全12話です。(略称は「ネトゲ嫁」)
ゲームが題材ですがゲーム世界に入る系ではなく、あくまでリアル側の学園生活しつつ、主人公とヒロインがネトゲ部(ゲームをやる部活)の面々と共にゲームやラブコメをする。
ハーレム物ではないです。
ネトゲあるあるネタと、アコちゃんの可愛さが見所でした。
…ちなみに私はネトゲには疎いです。でもネトゲネタはある程度分かります。
{netabare}『物語』
SAOやログホライズンのようなゲーム世界系ではなく、リアル学園ラブコメです。
2016冬の「ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション」と近い路線の学園ラブコメでした。
※アニメ化難航してますが「ハイスコアガール」とも近い路線(リアルでゲームする男女のラブコメという意味で)
…ただネトゲ嫁は「ネットとリアルがあまり乖離していない」(アコの態度が終始一定)ので、ネットゲームを扱ったリアルとネットの対比よりも、あくまで「ネトゲという共通の趣味を持つ学園部活(同好会?)物」という印象でした。
ネトゲ(ネット回線を用いて不特定多数が匿名でプレイするタイプのゲーム。私は話に聞くだけなのですが)を通じて結ばれる関係性を軸に、良い意味でラノベらしいライトな展開と雰囲気が親しみ易い。
偶然(奇跡的に)ネトゲで出会った男女がリアルでもラブコメ…
…アニメ(漫画やラノベ)はあくまでファンタジー!親方空から女の子が!と同じですな。
本作の前提となる「ネトゲの出会いとリアルが超偶然連動」は、「とても良いご都合主義」でしょう。
見所はヒロイン・アコちゃんの一途な可愛さ。
ゲームにハマり過ぎていてリアルが疎かになっているインドア派(というよりコミュ障)な美少女。
主人公ルシアンにゲーム内でもリアルでも変わらぬ無邪気な熱愛っぷり、それに戸惑いつつ、ネトゲ部の仲間たちも巻き込んで、少しずつアコと交流していく過程で、(良い意味でのラノベのテンプレ交えた)微笑ましいラブコメが良いです。
ネトゲ部員も全員美少女、でもカップリングは終始ルシアンとアコ。
なので、安心して見ていられる一方、ラブコメとしては盛り上がりに欠ける面も。
それでも、アコがセッテさんに嫉妬する一幕は微笑ましい。
前半の、ルシアンがアコと既に実質的に付き合っているのに、告白しようかドキドキしている辺りが一番萌える時期でした。
作中通して「リアルに疎いアコを、皆でリアルの楽しさ学ばせる」流れ。
あまり踏み込んだドラマは無い点は、ライトな作風と割り切ればむしろ良かったです。
実際、ゲームを通して結ばれたネトゲ部の関係性はとても好感が持てますし、ゲームを全力で楽しむからリアルが楽しい、リアルが楽しいからゲームも楽しい。
あくまでリア充寄りですが、(創作の理想形としては)こういうのもアリでしょう。
※「ソードアートオンライン2期」の終盤と、本質は通じるテーマというか、こういう絆のあり方もステキだなぁ、と思いました。
本作もう一つの見所は「ネトゲあるあるネタ」と「ネトゲ由来のスラング」
あるあるネタは疎いのですが、課金でゴリ押しとかは分かりましたw
※「イクシオンサーガDT」「聖戦ケルベロス竜刻のファタリテ」でも見た、定番ネタなので。
ネトゲスラングは「ブロントさん」ネタは分かりました。
…ここら辺は、知っているか否かで評価割れるかも。
不正ゲーマーの悪質な悪事と、ネトゲ部がギャフンと言わせる話は…
正直面白くなかったです。ネトゲの事情とか分からんし。
折角のライトな作風、不快要素は無い方が良かった。
…終盤のネトゲで格上のチームと攻防戦やる展開は、非常に熱くて、評価上昇。
俺強い系とは真逆、無双する敵を弱小な主人公側が物量とチームワークで食い下がる!
絶望的な戦力差を、機転と絆で善戦する。作戦良し、一進一退で綱渡りの戦況とてもハラハラしました。
例えるならば、サッカーで日本代表がブラジル代表相手に終始1点リード奪うも、圧倒的戦力差でいつ覆されるか!?相手はいつでも逆転出来ると舐めている。
ロスタイムに入った!早く終わってくれー!ああっ!でも土壇場で相手エースとゴールキーパーが一対一だダメだぁぁぁ!
…という感じ。
主人公側が負けてて土壇場逆転も王道なのですが、逆に終始勝ってたからこそのハラハラ感は珍しい、そこが良かった。
…部長の課金は正直微妙と思った。カッコ良い面もありますが、うーむ?
その前のアコの値千金ファインプレーが一番燃えたです。
総じて(ライトな作風と割り切るならば)安定した萌えとネトゲの楽しさあるも、物足りなさもあり。
ネトゲ特有?のネタがちょっと性に合わなかった面も。でも終わりよければ全て良し。
視聴後の後味は良く、観て良かったと思える佳作でした。
『作画』
アコも部員も可愛いんですが、ちとキャラデザが好みじゃないです。
それでも萌え的に十分な見せ場はあり。
ゲーム世界に直接入らずに、脳内イメージと現実を並行して描く演出は良かった。
バトルはチープですが、ネトゲ的表現の一環。
『声優』
アコの日高里菜さんのあざとさがかなりハマリ役。可愛かったです。
水瀬いのりさんのツンデレ、 M・A・Oさんの自信家など、安定感あり。
南條愛乃さんの「にゃ」も良かったです。
豊永利行さんも良かったのですが、増田俊樹さんのヒールっぷりも光った。
…ゲームマスター役で、なんと速水奨さんが!速水さん登場するだけでテンション上がります♪
『音楽』
OP「1st Love Story」ED「ゼロイチキセキ」共に派手さは無いものの主題のシンクロ率が高い。
特にEDはアコのルシアンへの想いを素朴に綴った良曲。
素朴で派手さこそ無いですが、好感が持てます。
…出来ればアコ(日高里菜さん)が歌っていれば。
下手でも良いので、完全にアコの歌なので。
『キャラ』
正直アコ1強でアコ以外印象薄いです。
でも、そのアコちゃんがかなり可愛い。リアルに疎すぎる危うさが、放っとけない萌え要素。
ルシアンラブ一筋の健気さも、王道的可愛さ。
面倒くさい面もある性格も、あまり深く掘り下げないのが良い方向に。
ルシアンは地味ながら常識人なのがアコとの相性良い、良いカップルでした。
戸惑いつつも終始アコの騎士として頑張ったナイスガイ。
ネトゲ部の少女では、ツンデレなシュヴァインとルシアンの距離感良かった。
ラブコメの波動…になりそうでいて、ならないのは良し悪しあり。
生徒会長アプリコットは、ある意味アコよりも非常識なキャラ…
強引なリーダーシップとカリスマでテンポ良く引っ張る存在でした。
セッテさんがアコに次いで可愛かったです。ある意味あざとい。
猫姫様と親衛隊も面白かった。彼女らのノリは好きでした。
最強チーム・ヴァレンシュタインのリーダーは、良き敵役でした。
あくまでもゲーム楽しむ上での戦略とロールプレイなのは分かるのですが、それでも正直イヤな奴だと思った。
その嫌な奴っぷりもまた敵役の鑑か。だからこそラストの高揚感ありましたし。{/netabare}